ぜいたくな読書

新刊をつぎつぎに買って読むようなぜいたくな読書もいつかしてみたいが、
いまやっているのはあまり金のかからない貴族的な読書である。
ここ2週間ほど毎日、一休宗純(一休さん!)の「般若心経提唱」を読んでいる。
タイトルどおり内容は般若心経の解説である。
これが毎日読んでもあきないのだ。毎日のように小さな発見がある。
並行してこの1週間毎日「歎異抄」を読んでいる。こちらもあきることがない。
さらに活字のぜいたくを味わおうと、
いままでに読んだ大量の般若心経、歎異抄の入門書をパラ読みしてみることにした。
おかげで実のところ本はぜんぶ読まなくても
一向に構わないというやばい事実に気づきかけた。
ともあれ、1冊の本の参考になるところだけ読むというのはぜいたくだろう。
一度は1冊丸ごと読んでいるのだから著者に失礼を働いてはいないと思う。
こんなことをやっているとさっぱり先に進まないが、
新書を片端から読んでいけば実りがあるかといったら、かならずしもそうではないだろう。
いまは読むべき本が多すぎるのである。
1冊に立ち止まっているということがなかなかできない。
本のない時代のほうが深く書物の内容を味わえたであろうことは疑いえない。

本がなかったといえば、たとえば戦時中である。
関係があるのかないのか、長期禁酒ついでに「戦争ごっこ」というものをやった。
あくまでもダイエットなどではなく「戦争ごっこ」である。
(無頼を気取っている我輩がダイエットなどできるか、バカヤロウ!)
「戦争ごっこ」とは、いま戦時中だと思い込む遊びである。
ご飯と白菜の漬物だけでも、白いご飯が食べられるなんて嬉しいと感謝する。
肉一切れでも、なんてぜいたくなんだろうと拝む。
餃子なんて食べた日には、戦地の兵隊さんに申し訳ないと思ったものである。
粗食を繰り返していると、冷凍ピザだけでどれだけ幸福だったか。
半額セールで買ったので1枚百円もしないピザに、こんなうまいものはあるかと感動した。
お茶漬けばかり食っていると舌が貧しくなるからピザごときで感激を味わえる。
おなじ書物を繰り返し読むのと似たぜいたくが「戦争ごっこ」にはあったように思う。
なにがいいかと言ったら深く食べ物を味わえるのである。こうして10日間、禁酒した。

早くもとの読書に戻りたいという気持もある。
「原始仏典」(筑摩書房)を読み終わったのだから、つぎは「大乗仏典」である。
しかし、「原始仏典」の感想を書くのには疲れきった。
というのも、仏教が専門という大学の准教授先生からメールをいただいたからである。
内容は伏せるが、とにかくこんな過疎ブログをお読みいただいているということであった。
こちらはとても緊張するわけである。
専門の人が(たとえいっときだけだとしても)お読みになっていると思うと、
プレッシャーが強くいいかげんなことは書けない。
かといって、感想を書かないと自分がどこまで理解したかわからない。
知識が少ないのはもうどうしようもないのだから、
結局は自分の感覚を信じるしかないと腹を据えて書いたのがあれら記事である。
ほとんどの人が読まないで飛ばしているのを知らぬわけではないが、
くたくたに疲弊したものである。むろん、楽しかったのも事実だけれど。
あれもまたぜいたくな読書だったような気がする。
いまは金銭的なせいたくばかりが注目され時間のぜいたくは無視されている。
ぜいたくとは浪費である。
お金の浪費はさぞ楽しいのだろうが、時間の浪費もまた悪くないのではないか。
高速道路もいいが、まわり道、遠まわり、道草もまたよろしかろう。
最後に言っておかなければならない。
こんな役に立たない無駄なブログを読んでいる貴殿も相当な浪費家ですな。

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