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「医者が泣くということ」

「医者が泣くということ」(細谷亮太/角川文庫)

→副題は「小児がん専門医のいのちをめぐる日記」。
子どものうちに病気で死んでしまう人もいるという、いわば常識に打ちのめされた。
この公開日記に子どもの亡くなった記録があるごとに胸の詰まる思いがした。
しかし、わからないと思う。
難病の子どもの気持も、子を亡くした親の気持もわたしにはわからない。
なんとか想像しようとはするけれど、決定的に体験が不足しているのでわからない。
体験というのは、想像力では到達できない迫力がある。
人生にはわからないことがある。
善人気取りのいい気分で読書中に何度も涙ぐんだが、
きっと患者を亡くしたときの細谷医師の無力感さえもさっぱりわかっていないのだろう。
経験してみないとわからない。
いくら想像しようと思って本を読んでもわからないことはわからない。
いまわかりたいがわからないのは、「自分の子ども」はどういうものかという感覚だ。
人生の重たい体験は自由気ままに選ぶことはできない。
体験を決めるのは宿命としか言いようがない不可思議なものである。
繰り返すが、人は体験を選択できない。
だからこそ、自分の実体験をたいせつにしなければならないのだろう。
おのれの宿命をしっかり受けとめなければならないのだろう。

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