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「人生哲学 阪神タイガース的」

「人生哲学 阪神タイガース的」(ひろさちや/ソニー・マガジンズ新書)

→ひろさんが、生き生きしてるぜ! 本当に阪神タイガースが好きなのだろう。
内容は、阪神タイガースに学ぶ生きる智恵である。
むかしは仏教に学ぶふりをしていたが、正体を現わしたな、ひろさちや!
もうすぐ死ぬひろ先生にとったら、仏教も阪神タイガースもおなじなのである。
わたしは本書で大好きなひろさんがピチピチしているのがなにより嬉しかった。
プロ野球はよく知らないが、阪神タイガースはとにかく弱いらしい。
そこでひろさちや氏が注目するのは「負ける」という意味だ。
弱いから負ける。しかし、負けるのはそれほどいけないのか。
たとえ負けても楽しかったらいいのではないか。
阪神タイガースが何度も負けようが楽しく応援できたのだからいいではないか。
これは阪神ファンならではの悟りといってよい。
もしかしたらひろ氏の仏教観は阪神タイガースに鍛えられたのかもしれない。
楽しむ野球と正反対なのが勝つための野球である。
ひろさちやは勝つための野球を批判する。
なぜなら、勝つためには選手が滅私奉公して、
チームのために尽くさなければならないからである。
それから勝つためには確率野球をしなければならなくなる。
本書を読んで、バンドをする意味がようやくわかった。
あれは確率を重視していたのか。この歳になるまで知らなかった。

「まず、ノーアウトでランナーが一塁だとします。
このランナーがホームにかえって来て得点になるには、
ヒットが二本続かないといけません。
しかし、二人の三割バッターが二本のヒットを打つ確率は、0.3×0.3です。
それだと約一割の確率です。だが、一塁のランナーをバンドで二塁に送ると、
ワンアウトになりますが、次は三割の確率で点になります。
一割と三割では、はるかに三割のほうがいい。
そこで、ノーアウト、ランナー一塁となれば、
川上(哲治)はバンドで二塁に進める野球を始めたのです。
これが確率野球であり、「勝つための野球」です」(P125)


考えてみれば人生でもそうだ。
いまは確率人生を「勝つための人生」と信じて励んでいるものが少なくない。
野球とは異なり人生ではみなかならず百%負ける(=死ぬ)にもかかわらず……。
確率野球や「勝つための野球」がつまらないとひろさちや氏はいう。
まったくである。野球のことはよくわからないが、
確率人生や「勝つための人生」はどこがおもしろいのかと思ってしまう。
プロ野球ではそうもいかないのだろうが、
人生では勝たなくても楽しめたらいいという草野球精神はたいせつである。
楽しんだもの勝ちのようなところが人生にはある。
勝つよりも楽しむことを重んじるという生き方があるのだろう。

そういえば、近所の荒川土手を散歩していて、いやな光景に出くわすことがある。
少年野球チームの監督やコーチがやたら威張っているのである。
いかにも会社ではうだつの上がらないような冴えないおっさんが、
鬱憤を晴らすように学童を叱り飛ばして練習させている。
どうせプロになんかなれないんだから、もっと野球を楽しませればいいいのにと思う。
楽しむことを罪悪とするような歪んだスポーツ観がどうしてか幅を利かせているのだ。
勝てなくても楽しかったらいいではないか。
関係ないが、このように考える人はたぶんギャンブル依存症にはならないはずである。

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