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「草迷宮」

「草迷宮」(泉鏡花/岩波文庫)

→なんかすんごい深そうな小説だで、これで長い評論がいくつも書けそうな。
おらは学がないけん、そういうことはでけんど。
基本は幽霊屋敷が舞台のホラー小説だと思うべさ。

鏡花は幽霊や妖怪が好きだったのだろう。
この作家の世界観を要約するとこうなるのではないか。
「人間(男性)→妖怪・幽霊・物の怪(女性)→畜生(動物・ペット・食肉)」
鏡花は女を(人間ではなく)化け物として見ていたのは疑いもなく、
だから嫌うというのではなく、このためにこそ女人に憧憬を持ったのだと思う。
新しい人間を産んでしまう女性をどうしてもおなじ人間とは思えなかった。
鏡花にとって女性は人間以下の野獣のような、
あるいは人間以上の物の怪のような存在だったのではないだろうか。

「草迷宮」には、母を求める青年が登場する。
死んだ母の歌ってくれた手毬歌(てまりうた)をもう一度聞きたい。
この部分は鏡花の絶唱である。
かの文豪(?)の文章はよくわからないが、
ここだけはたましいがこもった名文だと思った。
わたしにとって泉鏡花は、この絶叫部分しか記憶に残らないかもしれない。
母の手毬歌をもう一度耳にできたら――。

「夢とも、現(うつつ)とも、幻とも……目に見えるようで、口にはいえぬ
――そして、優しい、懐しい、あわれな、情のある、愛の籠った、ふっくりした、
しかも清く、涼しく、慄然(ぞっ)とする、
胸を掻挘(かきむし)るような、あの、恍惚(うっとり)となるような、
まあ例えて言えば、芳(かんば)しい清らかな乳を含みながら、
生れない前(さき)に腹の中で、美しい母の胸を見るような心持の――唄なんですが、
その文句を忘れたので、命にかけて、憧憬(あこが)れて、
それを聞きたいと思いますんです」(P117)


マザコンきんもっ! とか未婚四十代女子に裁かれちゃいますね。
ごめんよ♪ でも男なんてこんなもんだぜ♪

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