シナリオ・センター退学処分

10月1日、所用のためシナリオ・センター欠席。

10月8日、台風一過。風は強いものの快晴。

わたしのなかでもある台風が通り過ぎていったのを感じる。
このわずか1週間のあいだに3本も20枚シナリオを書くことができた。
ひとつの山を越えたという感触がある。
習作シナリオを3つたずさえ午後6時過ぎにシナリオ・センター到着。
このスクールの研修科は、毎月受講料を支払うシステム。
事務局で会員証と1万円と差し出すと、事務員は後方を振り返る。
すぐさまシナリオ・センター所長のGさんが現われる。
どうやら待ち伏せしていたようだ。

G所長「アンタはなにがしたいの?」
わたし「いえ、才能はないのですが、なるべくがんばって、
ええと、コンクールを取ってシナセンの宣伝をしようかと」
G所長「それはふつうの受講生の場合でしょう。アンタは違う」
わたし「――」
G所長「アンタ、このまえはどうして逃げたの?」
わたし「逃げた?」
G所長「話し合いの途中に逃げたじゃない。卑怯よ」
わたし「なんでそんなに偉そうなんですか?」
G所長「――」
わたし「このまえだって20分も待たせておいて、すいませんのひとつも言わない」
G所長「言ったわよ。授業で遅れてすみませんって」
わたし「言っていません。よく覚えていますから。失礼だなって」
G所長「だから、だから、あのとき逃げたの?
私が遅れたからって、アンタは逃げる言い訳になるとでも」
いきなりである。衆人環視のなかで言い争いが始まってしまう。
G所長がとにかく興奮していた。
2週前とおなじ場所に座らせられる。社長さんの真後ろのテーブルである。

わたし「今日は3つもシナリオを書いてきたんですよ。教室に行かせてください」
G所長「話し合いが先でしょう。アンタはこのまえ逃げたんだから」
わたし「なにを話し合うんですか?」
G所長「アンタの責任よ。どう責任を取るか」
わたし「なにもここで。もうすぐゼミが始まる」
G所長「――」
わたし「お電話くだされば」
G所長「電話だと、言った、言わない、になるでしょう。
こうして顔をつき合わせて話すのがいちばんなのよ」

ここで断わっておきたいが、この「シナリオ・センター日記」は主観的な記述である。
あくまでも、わたしの主観に過ぎない。
しかし、かといって客観的な文章などありえないでしょう。
これはノンフィクション作家の永沢光雄氏の主張するところでもある。
そもそもノンフィクションなどというジャンルの文章は存在しないと思う。
もちろん、わたしはおのれの見聞きした事実をなるべく忠実に文章化している。
この記事は、わたしにとっての事実である。だが、G所長にもまた主観がある。
Gさんがこの日のことを書いたらまったく違う事件になるのだろう。
なにゆえわたしは書くのか。
書きたいからである。書かずにはいられないからである。

わたし「なにを話し合うんですか?」
G所長「だから、アンタの責任よ。責任を取りなさい」
わたし「なんの?」
G所長「アンタのブログは影響力が強すぎるのよ」
わたし「――」
G所長「アンタのブログを読んで研修科に行かないことにした受講生がいるの」
わたし「Gさんはわたしのブログを読んでいないんでしょう?」
G所長「(汚らわしそうに)読むはずないじゃないの、そんなもの!
読まないでも生徒さんの話を聞いたらなにが書かれているのかわかる」
わたし「いけないな。きちんとものを見たほうがいい。自分の目でものを見ましょう」
G所長「問題なのは、アンタのブログじゃないの。
アンタのブログを読んでうちの生徒さんが思ったこと。
研修科にはこんな先生しかいないんだって。だったら行かない。こう言われた」
わたし「はい」
G所長「どう責任を取ってくれるの?」
わたし「どうすればいいんですか?」
G所長「アンタも大人でしょう。自分で考えなさい」
わたし「――」
G所長「ちゃんと考えてるの?」
わたし「――」
G所長「なによ。禅。そう、禅のお坊さんみたいな顔しちゃって」
わたし「――(ひでえな)」

G所長「うちはアンタにほとほと困っているの」
わたし「すいません」
G所長「すいませんじゃない。責任を取りなさい」
わたし「――」
G所長「アンタが研修科に行こうかどうか迷っていると質問にきたとき」
わたし「はい」
G所長「私は行ってごらんなさいと答えたでしょう」
わたし「覚えていましたか」
G所長「アンタがこんな人間とは思わなかった」
わたし「Gさんは人を見る目がないんじゃないですか(我ながらよく言うわ)」
G所長「ホントよ。まったく、そう。人を見る目がなかった。
アンタ、見た目はふつうの人っぽいのに」
わたし「いえ、2ちゃんねるではキモイおっさんって書かれています」
G所長「2ちゃんねるなんて私は見ません。2ちゃんねるはいいのよ。
だれも2ちゃんねるに書かれたことなんか本気にしないでしょう。
アンタのブログは説得力があるから困るのよ。すごい影響力があるんだから」
わたし「ごめんなさい(ちょっと誇らしい)」
G所長「あやまって済む問題じゃない。どう責任を取ってくれるの?
アンタのブログを読んで研修科進学を辞めた人がいる。大問題よ」
わたし「色んな意見があっていいと思うんですが」
G所長「――」
わたし「ラーメン屋さん。まずい。ブログにまずいと書かれる。これは仕方がないでしょう」
G所長「ラーメンとシナリオは違う。ものを書く人はものすごくナイーブなのよ。
アンタのブログはナイーブな人間をさんざん傷つけた。どうしてくれる?」
わたし「シナセンもラーメン屋とおなじサービス業じゃないですか?」
G所長「うちはサービス業なんかじゃない」
わたし「Uさんはサービス業だって言ってましたよ」
G所長「U先生の言うことは意味が違う。
それを言うなら大学教授だってサービス業でしょう」
わたし「――(GさんのなかではUが大学教授と同レベルなのかと唖然)」

わたし「色んな人がいていいと思いますね。色んな考えがあっていい」
G所長「それとこれとは問題が違うの」
わたし「ある映画が上映された。
おもしろいという人がいる。つまらないという人がいる。だから、いいんでしょう。
絶賛だけだったらよくない」
G所長「ゼミはプライベートな空間でしょう。それをアンタは公開して」
わたし「色んな意見があっていいでしょう」
G所長「問題にしているのは、アンタのブログが受講生の夢を奪ったこと」
わたし「どうして?」
G所長「だって、アンタのブログを読まなければ、研修科に行っていたのだから」
わたし「わたしが個別に電話して研修科進学を辞めるよう言ったわけではないでしょう。
結局のところ、その受講生がブログを読んで選択した。
選択したのは本人。断じてわたしが辞めさせたわけではありません」
G所長「なによ。責任逃れをして。アンタの責任よ」
わたし「言っていることがわかりません」
G所長「――」
わたし「わたしはブログにシナセンのいいところも書いています。
ちゃんと読んでください」
G所長「――」
わたし「ああ、読まないんですよね」
G所長「アンタのブログなんかね、読んだところで大したことはないんですよ」
わたし「だったら、読んでくださいよ。それからものを言うのが流儀でしょう」
G所長「フン」
わたし「色んな情報があっていいと思いますよ。それを読んだ人が判断すればいい」
G所長「アンタのブログは一方的過ぎるのよ」
わたし「――(あれ、読んでいないのでは?)」
G所長「あんなものを読まされたらだれも研修科へ来ないじゃない」
わたし「わからないですよ。
わたしのブログを読んで研修科へ行こうと決めた人がいるかもしれない」
G所長「いるはずないじゃない」
わたし「ものごとのプラス、マイナスを安易に判断しないほうが」
G所長「なにを言っているのだか」

わたし「どうしてわたしが他の受講生の夢を奪ったと言い切れるのでしょうか?
こうは考えられませんか。たしかに研修科へ進学を辞めたかもしれない。
けれども、ひとりシナリオを書き続けているかもしれない」
G所長「フン、ぜんぜん問題をわかってない」
わたし「そうですか?」
G所長「そもそも研修科に来ないことが問題なのよ。
研修科に来て実際にゼミを見て自分の目で判断したらよかったのに。
アンタのブログを読んで決めてしまうのが問題」
わたし「そうでしょうか。もしゼミに来てがっかりしたとするでしょう。すぐに辞める。
この場合、入学金と受講料を損したことになります。
わたしのブログを読んだほうがよかった、となるのではありませんか?」
G所長「そのほうがよほどいいじゃないの。研修科へ来たほうが」
わたし「それはシナセンはそのほうが儲かるでしょうが」
G所長「お金の問題じゃないの。夢の問題。アンタは他人の夢を奪ったの」
わたし「わからない人だな」
G所長「わからないのはアンタのほうよ」

時間ばかりがどんどん経過する。もうとっくにゼミは始まっている。
がんばって書いてきたシナリオを発表させてもらえないのだろうか。
わたしは書いてきたシナリオを3つ鞄から取り出しGさんのまえに並べる。
それから習作のうえに会員証と1万円札を置く。
劇的な演出をしたつもりである。おのれの芝居っけには参る。
わたし「じゃあ、Gさん。シナリオを読んでください。講評をお願いします」
G所長「読みません」
わたし「どうせわたしのシナリオなんかG先生には読んでもらえないか」
G所長「アンタはいつもそういうことばかり言う」
わたし「――」
G所長「アンタはいつもそうやって甘えて生きてきたのでしょう。
人の迷惑も考えずに。だれからも注意されたことがない。
だから、こんなことになった。今回、ぴしゃりと叱られたほうがいいのよ」
わたし「たしかに」
G所長「もう遅いけれど」
わたし「わたしは業というのか、生きているだけで人に迷惑をかけてしまいます。
どうしてかわたしが生きていると困る人がいる。もうどうしようもない」
G所長「どうしようもないじゃないんです。どうにかしてください」
わたし「どうしようもないんですよ」
G所長「フン」
わたし「人生、ろくなことがなかった。挫折続き。失敗ばかり」
G所長「――」
わたし「33年間、だれからも認められたことがない」
G所長「そんなこと知りません」
わたし「今年の1月にシナセンに入った。シナリオを書き始めた。
こんな楽しいことが人生にあるのかと思った。
シナリオを書くのが本当に楽しかったんです」
G所長「――」
わたし「シナセンはカリキュラムがとてもいい。
ひとつ課題を書くごとに、ああ、こういう意図があったのかとわかる。
シナリオを書き続けて本当におもしろかった。シナセンには感謝しています」
G所長「だったら、どうして泥を塗るようなことを」
わたし「どうしてかわからないけれど不幸ばかり。
人生で挫折しかない。なにをしても失敗ばかり。最低の人生でした。
けれど、いや、だから、シナリオに書く。こんなことがあったらいいな。
こんな人がいたらいいな。こんなシーンがあったら、どんなに人生はすばらしいだろう。
そういう風にシナリオを書いていると、とても救われるものがあります」
G所長「アンタのシナリオ、タイトルはいいわね」
わたし「(パッと明るく)嬉しいな。G先生から誉められた。
人生で人から誉められたことのないわたしが、G先生から!」
G所長「――」
わたし「読んでみてくれませんか?」
G所長「読みません(調子に乗るな!)」
わたし「そうですよね」

わたし「聖書の『一匹と九十九匹』の話をご存知ですか?」
G所長「知りません」
わたし「――」
G所長「アンタ、知能犯を気取っているんじゃない?
自分は頭の回転が早いと思っているでしょう」
わたし「そんなことは」
G所長「ふざけんじゃないわよ」
わたし「シナセンへ通いたいんです。30本20枚シナリオを書かせてください」
G所長「実績のある講師のほうがいいんでしょう。シナリオ作家協会へ行きなさいよ」
わたし「いえ、なまじ実績のある人とか鼻につくし。Uさんがいいんです」
G所長「U先生は立派な講師ですからね。
アンタ、シナリオ・センターには向いてないと思うわ。
映像作品のある尊敬できる先生についていけばいいじゃない?」
わたし「シナセンがいいんです」
G所長「実績のない先生はいやなんでしょう」
わたし「そんなこと言っていません」
G所長「アンタがうちにこだわる理由がわからない。お金がもったいないんじゃない?」
わたし「いえ、その、8500円だったら、まあ、この程度の講師かと」
G所長「いまアンタ、なんて言った? 許さないわよ(激怒)」
わたし「――」
G所長「この程度って言ったわね。この程度。
そんなこと本気で思っていなかったらぜったいに言えない。
ようやくアンタの本心がわかったわ。シナセンの講師はこの程度と言った」
わたし「アリストテレスが、アリストテレスが」
G所長「許さないですからね。うちの講師をこの程度とアンタは、アンタは!」
わたし「いえ、それは」
G所長「まったく反省の色が見られない」
わたし「――(うつむく)」
G所長「反省したふりをしたって無駄よ。すべてわかっているんですから」
わたし「シナリオって教わるものじゃなくて、書くことでうまくなると思うんです」
G所長「ひとりで書けばいいでしょう」
わたし「締切がないと書けなくて」
G所長「この程度の先生に教わってもしょうがないでしょう(皮肉たっぷり)」
わたし「――(しつこいよな)」
G所長「うちの講師をこの程度なんて思われたらたまったもんじゃない」
わたし「あんがい、みんな受講生は思っているんじゃないですか?
月8500円だったら、まあ、あまり期待していないというか」
G所長「冗談言わないで。そんなことを思っているのはアンタだけ」
わたし「そうかな?」
G所長「当たり前よ。受講生はみんな講師を尊敬して指導に従っています。
この程度と思うような人にはシナセンに来てほしくありません」
わたし「だったらホームページに書いておいてくださいよ。
シナセンは講師を尊敬して指導に従う人しか来てはいけないって」
G所長「ええ、書いておきますよ」
わたし「――(売り言葉に買い言葉だとわかっている)」

話し合いなんて嘘で、なんとかして辞めさせようとしていることに気づく。
最初に気がつかないわたしはどれほど世間知らずなのだろう。
わたし「G先生、いい腕時計していますね。わたしのこのシャツなんて980円ですよ」
G所長「――(いきなりなによ?)」
わたし「お孫さんもいるんでしょう。いいですよね、成功者は」
G所長「アンタはね――」
わたし「帰ったらあたたかい家族が待っているんでしょう。うらやましいな。
わたしなんか家に帰ったって、ひとりで酒をのむくらい。
幸せなやつはいいよな。人生に勝ったやつはいいよな。
どうなんです。初めてお子さんが生まれたときって感動しましたか?」
G所長「関係ないでしょう」
わたし「わたしは結婚なんてとうにあきらめていますからね。
どうせこの性格だからこの先も失敗続きでしょう。
アルコールで身体がガタガタだからいつ死んでもおかしくない」
G所長「――」
わたし「人から嫌われてばかり。Gさんはいいよな。受講生から慕われて。
G先生、G先生とみんなから好かれている。うらやましいな。
どうして人生はこうも不平等なんでしょうかね。
ここの社長さんなんかも創設者の娘さんでしょう。結局は運。人生は運。
運、運、運。どの親のしたに生まれたかですべてが決まってしまう」
G所長「アンタはそんな考えだからね」
わたし「ああん、なんすか? こちとら人生から手ひどい攻撃をされてばかり。
おい、Gさん! 人生、勝ったとかほくそ笑んでいるんだろう?
部屋でひとりになったとき、私の人生もなかなかのもんだとか思っていないか?」
G所長「アンタになにがわかる!」
わたし「――(打たれる)」
G所長「――(フザケンナ)」
わたし「そうだよね。そんな人生は簡単じゃない――(うなだれる)」
G所長「――(バカヤロウ)」
わたし「ブログのシナセン記事を消したら通わせてくれるんですか?」
G所長「アンタはものを書く責任をわかっていない」
わたし「え?」
G所長「一度書いたものは消えないで残る」
わたし「はあ」
G所長「アンタは知らないでしょうけど、106期(作家養成講座)の子たち。
アンタのブログをプリントアウトしてみんなで回し読みしていたのよ」
わたし「106期は仲が良いのですね」
G所長「アンタは影響力が強すぎるのよ。もう取り返しがつかない」
わたし「――もう自殺するしかないのかな。
シナセンを辞めさせられたら首を吊るしかないか」
G所長「シナリオ・センターの迷惑になるからやめてください」
わたし「だって課題を書くのが生きがいでしたから」
G所長「自分で自分の首を絞めたわけでしょう」
わたし「――(首つながりでウマイ! と内心で拍手)」
G所長「アンタは自殺とか軽々しくね」
わたし「本気で考えていますから」
G所長「(大声で)この人ね、シナセンを辞めさせられたら自殺するんだって」
事務局にいたもの全員がわたしに注目する。意地が悪いよな。
わたし「Gさんは、わたしが大嫌いなんでしょうね」
G所長「アンタなんか大嫌い! 嫌い、嫌い、言葉にならないくらい嫌い!」

なんとも濃いやり取りでしょう。ゼミの終了時間8時半を超えている。
帰宅する受講生の楽しそうな会話が聞こえてくる。
もう会話も成立しなくなっている。
わたし「どうせ才能がないからコンクールは無理です。
せめて生きてきた証(あかし)に20枚シナリオを30本書きたいんです。
最低最悪の人生だったけれど、
30本シナリオを書けたら悪くない人生だったと思えるかもしれない」
G所長「お断りします」
わたし「通わせてください」
G所長「お引き取りください」
わたし「そこをなんとかお願いします」
G所長「うちへ通っていただくわけにはいきません」
わたし「シナリオを書かせてください」
G所長「アンタはさっきからおなじことばかりオウム返しじゃない」
わたし「日本語がおかしい」
G所長「え?」
わたし「オウム返しとは、相手の言葉をそのまま繰り返すこと」
G所長「それは知らなかったわ」
時計は9時を過ぎている。3時間ものあいだ監禁(?)されていることになる。

そばにいる社長のKさんにたずねる。
わたし「わたしはもうここへ通えないんですか」
K社長「無理でしょうね」
この隙にG所長がさっとトイレに走る。うらやましい。
わたしもトイレに行きたかったが、「逃げるな」と罵倒されるのが嫌で遠慮していた。
そもそもトイレがどこにあるかわからない。敵陣の真ん中にいるのである。
K社長とは面識がない。言葉を交わすのはこれが初めてである。
K社長「あなたはコウガンね」
わたし「コウガン?」
K社長「そうコウガン」
わたし「どういう意味ですか?」
K社長「顔が厚いのコウガン」
まさか初対面の人間に厚顔と言い放つ人間が存在するとは思わなかったが、
社長として多くの人から日々持ち上げられていると、これも不自然ではないのかもしれない。
わたしはそうとうな厚顔なのだろう。
なぜなら新井一のお嬢さんというだけでシナリオ作品がないのに、
「シナリオの書き方」を上梓してしまう社長さんから厚顔と指摘されたのだから。
わたしはおのれの厚顔を恥じた。
社長さんから衝撃の事実を知らされる。もう辞めるしかないと思った。
なんでも講師のあいだでわたしのブログが噂になっている。
それどころか、講師全員がわたしのブログを読んでいるとのことである。
わたし「名前もばれていますか?」
K社長「私は聞かれたら答えるから」
わたし「じゃあ、河口湖シナリオは名前で落とされますか?」
河口湖のシナリオコンクール締切が近い。
わたしも応募する予定である。ところが、選考するのはシナセン講師陣。
社長さんによると、名前は隠して審査するから大丈夫とのこと。

シナセンの講師全員がわたしのブログを読んで噂しているらしい。
この人が自分のゼミに来たら困る。とても教えられない。
のみならず、シナセン事務局員もみんなわたしのブログを読んでいる。
シナセンにいる人間のだれもがわたしを白眼視しているとのこと。
K社長「だから、もう辞めるしかないんじゃない?」
社長さんも「本の山」を読んだとのことである。
どの記事も最後で逃げている、との感想を抱かれたとのこと。
お読みになったうえでのご感想なら大歓迎。
文章のつたなさを申し訳なく思う。
社長さんもブログをやっているらしいが、恥ずかしながら読んだことがない。
今度、文章修行のためじっくり読み込もうと決意する。
わたし「もしかしてUさんもわたしのブログを読んでいますか?」
K社長「講師同士の会話があるから、たぶん読んでいるでしょう」

時計は9時40分。事務局員も次々に帰っていく。
電灯もあちこち消される。そうか、この人たちがみんな、わたしを憎んでいる。
シナリオ・センター全体から、白い目で見られている。
「辞めます」と会員証を差し出した。
すぐさま離れたところにいたGさんがものすごいスピードで会員証を奪い取りに来る。
わたし「Gさん、いままでありがとうございます。
ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません」
きっちり負けておきたかった。
反則負けなどではなく、ギブアップの意思をお伝えしたかったのである。
わたしがなにかしないかと見張っていた事務員さんたちにも謝罪。
「こんなに遅くまですみません」
外に出たわたしにありがたくも「お疲れ様でした」のお声が。
3時間40分の監禁(話し合い?)であった。
歩きながら、ひとつのシーズンが終わったのだと思う。
また挫折かと思うが、まあ、自業自得なのだろう。
最後にGさんが身体を張って向き合ってくださったのできれいに辞めることができた。
社長のKさんもからっとした、よい意味で女性らしくない好人物であった。
成功する人間は成功するべくして成功するのだろう。
失敗する人間はなにをしたところで失敗するほかない。
才能がないから万が一にも可能性はないのだろうが、
どこか小さなコンクールででもわたしが入賞したら、
わが母校は名前を宣伝に使ってくれるのだろうか。
「シナリオ・センター退学処分」。履歴に新たな1行が加わった。

COMMENT

misaka URL @
10/16 04:24
お久しぶりです。.  結果が退学になってしまいましたか……それでも得るものはあったといえそうですね。
 正直、これほど嫌われるているとは思っていませんでした。が、改めて「本の山」の影響力に驚かされます。
 自殺は駄目ですよ。まだ読み続けたいブログですからね。これからも覗かせてもらいます。

- URL @
10/16 08:47
管理人のみ閲覧できます. このコメントは管理人のみ閲覧できます
Yonda? URL @
10/16 21:02
misakaさんへ. 

ご心配、ありがとうございます。
シナセン追放、コンクール落選とマイナスが続いて、
どうしてか超プラスになってしまいました。
いまメチャクチャ(やけくそ?)ハイテンションです。

少し休憩をしてから、コンクール・ハンターになる予定です。
えむごん URL @
10/17 22:56
. コンクールハンターいいですね!
yondaさんなら、絶対プロになれますよ。
みんながyondaさんに注目してると思いますよ?
もっと、も~っと、頑張ってくださいね!!
Yonda? URL @
10/18 23:07
えむごんさんへ. 

応援ありがとうございます。

> yondaさんなら、絶対プロになれますよ。

見知らぬ無名の人間には、もったいないお言葉に感謝。
どのみち人生はみなみな負ける(死ぬ)。
それまでせいぜいがんばりたいと思います。
えむごん URL @
10/19 04:28
. お返事ありがとうございます!
強制退学なんてひどいですよね。
違法すれすれのことされたなんて…。
警察に相談してみてはどうでしょうか?
断固戦って下さい!!
私はyondaさんを応援します!!
Yonda? URL @
10/20 20:56
えむごんさんへ. 

思います。
シナリオ・センターへ通ってよかった。
シナリオ・センターを辞めて(辞めさせられて)よかった。
よかった、よかった、です。
かのスクールは良くも悪くもわが母校であります。
- URL @
10/24 13:23
. 仮に、あなたが今後コンクールで入賞する。
すると、あなたと仕事をしたいと思うプロデューサーも出てくる。

でも、もしあなたのこのブログがプロデューサーの目に留まったり、
あるいはシナリオセンターから、プロデューサーにあなたの悪いうわさが流れたとする。

結果、仕事の話がなくなってしまう。

こんな事態も起こりうるのではないでしょうか。
(このブログを読んだくらいで仕事の話をナシにしようとするプロデューサーとなんか一緒に仕事したくない、シナリオだけで判断してほしい、と思っているのならばそれはそれでいいと思いますが)

私はあなたのシナリオを読むことだけは好きでした。
うまい、と思います。
だからこそ、本当にもったいないと思います。
哀しくなってきます。

自分の見たこと聞いたこと思ったこと、
その何もかもすべてをブログと言う形で公開してしまったこと、
それを後悔する日が来なければいいと思いますが。
Yonda? URL @
11/06 18:32
名無しさんへ. 

拙作への高いご評価、ありがとうございます。
将来へのご助言にも感謝しております。
できるかぎり注意いたしたいと思います。

先のことはだれにもわからない、とも思うのです。
プラスと思ってしたことがマイナスになる。
マイナスだと思ってしたことがプラスになってしまう。
このへんが人生の妙味でも恐怖でもあります。
ですから、わたしはあまり先々のことを自力でどうにかしようとは思いません。

親身なコメント、本当にありがとうございます。
胸にしみました。
aa URL @
11/10 02:22
ちっ. あなたと講師の言い合いが本物だったら見に行くのを楽しみにしてたのに。
見られないんでしたらつまんなさそうだから、研修科行くの止めますわ。
Yonda? URL @
11/10 20:55
aaさんへ. 

なんとも、もったいない。
わたしが行きたくても参加を拒まれた研修科でありますのに。
行ってみてもいいかもしれませんよ。
Uさんの逆上芸は一見に価します。
なにも難しいことはないのです。
半笑いで「Uさん、ほんとはシナリオ書けないんでしょう」――。
こう先生に言いましたら、お馴染みお得意のハッスル芸をなさってくれるでしょう♪
とてもいい人生勉強、人間勉強になること請け合いです!
- URL @
04/17 15:42
. comment 4月からセンターに入学した者です。授業に驚きました。1枚モノでもその日のまとめみたいな資料を頂けると思ったら全く無し。全てまくしたてる様な口頭だけで黒板には題目を書くのみ。とにかく友人を作れと言ってましたが意味が分かりません。学校行って友人が沢山出来たと言ってる友人で資格を取ってもその後一人立ちした人間はわたしの周りにはいません。授業料分は淡々と講師陣の自尊心を傷つけず頑張るつもりです。初めてyonndaさんのブログを拝見して納得して逆に心がまえが出来ました。突然のメールで失礼致しました。
Yonda? URL @
04/17 20:56
名無しさんへ. 

わざわざコメント、ありがとうございます。

> 授業料分は淡々と講師陣の自尊心を傷つけず頑張るつもりです。

偉そうな物言いで恐縮ですが、
とてもいい心がけだと思います。
講師はだれか知りませんから断言はできませんが、
概してあまり講義には期待しないほうがいいと思います。
課題を書くのをぜひぜひたっぷり楽しんでくださいませ。
早めに行って近くの席にいる人に話しかけてみるのもいいでしょう。
講師の発言は、まあ、そうやって友人知人関係を作らせて、
上のクラスへの受講を継続させようというトップの命令があるのでしょうが……。
もうお金を払ってしまったのですから、あとは楽しむだけです♪
- URL @
04/28 19:27
承認待ちコメント. このコメントは管理者の承認待ちです
- URL @
06/22 13:49
. commentあのう、すいません。表参道のシナリオセンターの事ですよね。
Yonda? URL @
06/22 22:00
名無しさんへ. 

はい。
SORA URL @
04/26 00:59
. はじめまして。
先週土曜日、シナリセンターの開講式(オリエンテーション)に参加し、入学するかどうかいまなお迷っている小羊少年です。

全く「表参道のシナリオセンター」の予備知識もなく、イキナリ行ってしまって、その後、検索していろんな記事を読み、一番気になったブログ主のyonda?様に初コメさせていただきます。

yonda?様の現職業はいまなお会社員とかでしょうか?
yonda?様の本名で検索すると、あのフジテレビのヤングシナリオ大賞の通過者の中にもお名前が出て、相当オリジナルシナリオ能力が高い方なんだとお見受けします。(なにせ、このブログの文才、さすがとしか言いようがないものが多数あります。)
会社員ではなく、アルバイトなどとの兼業でシナリオでの収入もあるとかいった状態の方なのでしょうか?

退学・・という事態に至ったとしても、思い返してみて、このシナリオセンターに通った事は現在執筆活動上で相当プラスですか?
それとも、そうでもない物にお金をかけすぎたな・・というのが正直な感想でしょうか?

yonda?様は都内(もしくは関東圏)の方ですか?
もしも自分が今後、シナリオを書く道を少しでも選んだなら、(今はまったく「書く」なんて作業までいってません。頭でいろいろ考えたり妄想空想するのは大好きですが。)いつか会ってもらえますか?
yonda?様と直接お話しできたらとてもうれしいです。
Yonda? URL @
04/26 20:00
SORAさんへ. 

ご質問がたくさん!

シナセン講師先生の名前、こちらのプライバシー、公にできないことが多々ありますので、この類のご質問はメールでお願いします。なお、メールにはかならずお名前、ご年齢を記入してくださいませ。

まあ、愛知県から毎週通うほどの価値があるスクールとは思いません。
SORA URL @
04/27 01:18
. うわぁあああ●▼◆

なんで僕が愛知県民だとバレたんだろうか・・・
書いてないのに!?
(先週土曜、yonda様のスパイでも潜り込んで僕とお話ししたんでしょうか?)

Yonda? URL @
04/27 09:26
SORAさんへ. 

ホストを見たら愛知県からアクセスしているとわかります。

しかし、人間というやつは――。
他人には自分の都合だけで生業から収入まで突っ込んだことを根掘り葉掘り聞いておきながら、ご自分は用心深くお名前さえ明かそうとしないのですね。
まあ、こんなものでしょう。

どうか夢に向かってがんばってください。きっと夢はかなう!
松本清張 URL @
09/01 20:23
シナリオなんてやめろ. 小説に書きなさい。面白そうじゃないか。直木賞取れるよ。
Yonda? URL @
09/06 23:21
松本清張さんへ. 

がんばりまっす♪
とても励みになるコメント、ありがとうございます!

シナリオは多数派を満足させるためのものなんですよね。
テレビも映画もマス(多数派)を相手にしている。
ひとりの考えよりも、どこにいるかも知れぬ「みなさん」を重んじなければならない。
そういう世界はたしかにわたしには合わないのかもしれません。
- URL @
12/06 16:04
. すごい
Yonda? URL @
12/18 12:47
名無しさんへ. 
そうっすか?

(参考)シナリオ・センター日記
http://yondance.blog25.fc2.com/blog-category-40.html

よろしかったらお読みください。
無頼者 URL @
04/05 15:37
. この記事を読んで、シナリオセンターに感じていた
違和感に納得が行きました。

体験講座を受けて、他の人はどうか知らないけど
自分は、入学する事に違和感を感じた訳で。
この記事を読んで、作家を目指すなら
シナリオセンターでなくても出来る事は有る
と思いました。
Yonda? URL @
04/06 20:01
無頼者さんへ. 

わざわざ貴重なコメント、ありがとうございます。
どうか夢に向かってがんばってください。
- URL @
07/31 18:17
. 貴重な体験、読ませていただきありがとうございました。体に気をつけて下さい。
オナニオライター URL @
08/01 05:35
. ネットが普及する前の元生徒たちの気持ちは、どうだろう。そんなことを考えてしまう
ネットが普及したことで広く知られて集客できる場合と
その逆の場合とでの±など
まあ大企業なら他社と経営統合されるが、同族ですから
Yonda? URL @
08/01 23:13
名無しさんへ. 

こんな長文を最後までお読みくださり、そのうえ、こちらのどうでもいい健康までお気遣いくださるとは、なんともまあ、ありがたいことであります。……えっ、はっ、もしかして体に気をつけろとは、追手が迫っているということでしょうか! もしや刺客が! あはっ、冗談でっす。
Yonda? URL @
08/01 23:19
オナニオライターさんへ. 

この記事はいまだに反響があるので驚きます。
当時のわたしはいまに輪をかけて世間知らずでしたから、
ついうっかり本当のことを書いてしまったのですね。
いまさら後悔もなにもありませんけれど。

とはいえ、いまではとてもおなじことをできないと思います。
しかし、シナセンの人たちもびっくりするくらい世間知らずでしたね。
社長、所長、講師のみなさんがみなさん、
ほとんどまともな社会経験をお持ちになっていないようでしたから。
どっちもどっちというのがいまの感想です。
お互い大人げないというひと言に尽きるのでしょう。
- URL @
11/17 14:09
. てめえで火をつけておいて
炎上したら相手が悪いって
どんな社会常識なんだか
URL @
02/25 12:25
びっくりしました. comment始めまして、桃といいます。
ク・・首ぃ!?とぎょっとしましたよ。
コンクールに出しまくる、ですか。楽しそうですね。

私はひよっこですから、学び終えたらやってみたいです。
- URL @
04/01 04:17
. シナリオセンターというのが馴れ合いで批判を許さない組織だというのがよくわかりました。仲間を作りたいという甘えでこの学校に通おうと思い検索してたどり着きました。新井さんの著作を読み、ハリウッドの現在の講師の著作を翻訳されないのも読んで比べてみるとやっぱりあちらの方が進んでるなぁと思います。何十歩も進んでるというのが正直な感想です。二流の新井パクリ師たちに学ぶ必要は微塵もないだろうなと確信しました。
暇ができたら10万程度使ってもいいかなとは思いますが。集まる人たちも意識が低いのだろうし辞めることにします。気の迷いで危うく金をドブに捨てそうでした。この記事を読めてよかったです。
- URL @
07/06 02:44
. 2016/07/06

ネットサーフ中に迷い込みました。
シナリオはもう書かれてないんですか?

上のかたが書いている内容に似ますが海外でのハウツー本はハリウッドの脚本家が書いているものもあり、例をあげてかなりダイレクトな教え方です。「これでもまだわかんないって?」みたいな。日本は書式を教えたのちにカセやら葛藤やら教えていきますよね。んでコンクール対策とか「コツ!」とか重要なことはワークショップやら有料講習とか。ぶっちゃけそれ全部含めてもハリウッドのハウツー本1冊買ったほうがよほどわかりやすく安くすみ、確実なことが書いてあります。海外本だから買ってない人は多いと思いますけどね・・・基礎科はまだしも本科以上の学科は意味があまりない。先生とつながりを持てるのはいいことですが、実際、その先生たちもバリバリの脚本家ではなく、受賞歴もないというのでは、ハリウッドと比べても月となんちゃらです。サークルではないのだから、金をとって教えてるのだから、ちゃんとした講師を使って教えるべき。
名無し URL @
08/30 13:16
. ブログ主さんの書いたシナリオを読むと
「自分の負の感情を観客にぶつけること=前衛」
と勘違いしてる内容の作品が多い。

それに対してU先生が
「そんなものは前衛でも文学でもエンタメでもない」
と切り返してるのはまともな指導だと思います。

ハリウッドとシナセンを比べてどちらが優れている
などと論じるようなレベルのトピックではないかと。
世田谷 部長 URL @
06/02 07:55
高島平の仕事. 明日の高島平DNPの仕事行きます?
- URL @
06/02 08:30
管理人のみ閲覧できます. このコメントは管理人のみ閲覧できます
Yonda? URL @
06/02 11:33
本部長さんへ. 

えええ? 本当にこんなブログを検索してくださったんですか?
明日のDNP、わたし、声がかからなかったんですよ。
メールとか電話とかいっさいなし。戦力外通告かと。
行くのなら怖い☆さんによろしくお伝えくさい。
- URL @
06/02 12:20
管理人のみ閲覧できます. このコメントは管理人のみ閲覧できます
世田谷部長 URL @
06/02 12:24
. 行くのならまだ間に合うと思いますよ。連絡してみたらどうですか?電話はきてないです。
Yonda? URL @
06/02 13:25
世田谷部長さんへ. 

明日はめずらしくプライベートで予定が入っているんですよ。
4日から行ってもいいですけれど、枠がどうなっているのやら。
あれ、最初の日に行かないとめんどうくさいでしょう。
ああ、たぶん携帯のメールに来たんでしょうね。
わたしは携帯、迷惑メール対策でかなりフィルターを厳しくしているから。
しかしさあ、なんでわざわざシナセンの記事にコメントを?
いやがらせかよっ。

前回の最終日、無断(?)欠勤したでしょ。
カギとか郵送しましたか? めんどうくさそう。
部長のことを無断でブログに書いちゃって、正直すまんかった。
- URL @
06/03 13:23
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- URL @
06/03 13:26
管理人のみ閲覧できます. このコメントは管理人のみ閲覧できます
Yonda? URL @
06/04 01:09
世田谷部長さんへ. 

当方のパソコン上の不具合で貴殿のメアドが見られません。
できましたら
yondance1976@gmail.com
のように、鍵コメントでもけっこうですので、開いていただけると。
きょうはお疲れさまでした。
☆さんとか工藤さん(69歳のジッチャン)とか懐かしいなあ。
もしお気が向きましたら、
鍵コメントでけっこうなので連絡先をご開示くださるか、
当方のメアドまで直接ご連絡をお願いします。
無理強いをしたいわけでは、もちろんございません。








 

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