「女の園」

「女の園」(木下恵介/日本シナリオ文学全集1/理論社)絶版

→映画シナリオ。昭和29年公開作品。
上演時間は137分。いったいだれがこんな映画を最後まで観るのだろう。
娯楽の少ない昭和29年。映画館に閉じ込められている。なおかつ料金を支払っている。
時代、場所、代金。この3要素が「女の園」を名作なんぞにしたとしか思えない。
どこがおもしろいのかまるでわからぬ。

校則の厳しいお嬢さま女子大。学校の管理体制に抗議する一部の女子大生がいる。
そのうちのひとりが出石芳江(高峰秀子)である。
芳江は結婚を誓った恋人がいるものの親からは交際を禁じられている。
自由か義務かの相反する規範に引き裂かれ芳江の精神は異常をきたす。
自由恋愛か、それとも親への義務か。
自由な大学生活か、それとも伝統のある校則か。
自由と義務のあいだで揺り動く幾人かの女子大生が活写される。
芳江はあらゆる葛藤を背負い込み大学の教室で睡眠薬自殺を遂げる。
「日本の悲劇」とおなじ自殺オチはいささか工夫が足らないと思う。
たしかに主役を殺せば映画は終わるが、だからといってポンポン自殺させないでほしい。

この映画の退屈な理由はいくつかあるが、最大のものはエロがないことではないか。
濡れ場がないのである。
暴力シーンの不足は舞台が女子大のため致し方ないが、
せっかく女子大生を使うのだからもう少しエロを入れられなかったのだろうか。
芸術映画に不純なことを言うなと怒られてしまいそうだけれども。

137分もえんえんとおかたいテーマに向き合わされるのは苦痛以外のなにものでもない。
べつに映画からなにか教えてもらおうとは期待していないのだ。
知識だったら本を読むのだから。
むかしの映画はどうして観客を教育しようとするのだろう。
楽しませてくれればそれでいいのに、不遜な映画監督が多いのには困ったものである。

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