「星々の悲しみ」「二十歳の火影」「命の器」

04/07/20 11:36

「星々の悲しみ」(宮本輝/文春文庫)*再読
「二十歳の火影」(宮本輝/講談社文庫)*再読
「命の器」(宮本輝/講談社文庫)*再読

→宮本輝は天才である。
現代小説を何か読む。たいがいの小説は底を察することがまあできる。
しかし宮本輝の小説はあまたある現代小説と根本から異なっている。
底が見えない深みがある。
あるいはいくらハシゴをのぼっても、とうていたどりつけない高みに氏の小説はある。
わたしごときがどれだけ人生経験をつもうが書けないものがそこに書かれているのである。
なんであんなすごい小説を宮本輝は書けるのだろうか。
その秘密はどこにあるのかと宮本輝個人に興味を持つ。
すると宮本輝の裏側に2500年の歴史を持つ仏教が見えてくる。
仏法、日蓮、創価学会――。

宮本輝は作家になりたくて創価学会に入信したのではないという。
創価学会に入ってしばらくしてから、この教えを小説で広めたいと思ったとのこと。
共産党には共産主義の作家がいる、キリスト教もそう、なら創価学会からは自分が、と。
かなわないなと思う。
宮本輝の小説には何か壮大なもの――宇宙的な広がりのある何ものか――
を信じている人間でなければ書けないものが描かれている。
信じることから生じる力強さがある。

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