この日、近所のブックオフがリニューアルオープンをするというので、
たいした期待もせずに訪問。店内改装をあいだにはさんだ1週間ぶりの入店である。
閉店前は全書籍半額でだいぶお世話になった。
なんでもオーナーが変わるのだとか。
フランチャイズのオーナーが降りて(赤字だったんだろうな)直営店になる。
もしくは、関連会社あつかいになる。
ともあれ、いままでの投げやりな経営ではなくなるということである。
それでも所詮は田舎のブックオフ。まったく期待していなかった。
店のまえでバイトが割引券を配っている。
やる気満々じゃないか。まったく雰囲気が変わっているので驚く。
割引券は50円の金券。わずか50円でも得をすると嬉しい。
パチンコは一度もやったことがないが、
かの賭博場に足を踏み入れる心持はもしかしたらこれに似たものがあるのかもしれない。
そんなことを思いながら、心底流れる軍艦マーチとともに入店。

やられたと思う。こんなことがあるのか。いや、これが古本の世界なのである。
ほんの数日前、ネット通販で買った山田太一のシナリオが105円で売られている。
「夕陽をあびて」。わたしはこの本を1000円近く支払って買ったのだった。
古本歴は5年になる。ひまにまかせて無数の古書市、古本屋に足を運んだが、
この「夕陽をあびて」は一度もお目にかかったことがなかった。
だから、わざわざ送料まで負担してネットで購入したのである。
それなのにわずか数日後にブックオフで出逢ってしまう――。
繰り返すが、これが古本なのである。古書はときに人間以上にドラマチックだ。
買ってしまおうかと思ったが、2冊あっても仕方がないので放流。
しかし、怒り心頭だったのは、わずかな時間である。

というのも――。この日、わたしは大勝ちしたのである。
結局、この店だけで32冊もの書籍を購入した。
おそらくこれだけ大量の本をひとつの店舗から買ったのはこれがはじめてだろう。
近所でなかったら、たぶん持ち帰ることができなかったはずである。重かった。
32冊だ。合計3360円。50円の割引券で3310円。
ブックオフでは3000円ちょいで、これだけの書物を仕入れることができるのである。
店員の声出しが以前の10倍でとてもうるさかったが、
たいへん満足できる買い物であった。以下に詳細を記す。
これを見たらみなさまもブックオフに行きたくなること必定。

「図解雑学 宇宙論」(二間瀬敏史/ナツメ社)105円
「図解雑学 脳のしくみ」(岩田誠:監修/ナツメ社)105円
「図解雑学 マクロ経済学」(井掘利宏/ナツメ社)105円
「図解雑学 ミクロ経済学」(嶋村紘輝・横山将義/ナツメ社)105円
「図解雑学 株のしくみ」(寺尾淳/ナツメ社)105円
「図解雑学 ゲーム理論」(渡辺隆裕/ナツメ社)105円
「図解雑学 キリスト教」(挽地茂男/ナツメ社)105円


大好きな図解雑学シリーズがぞろり、みーんな105円。
キリスト教のは、定価で買おうかだいぶ迷った記憶がある。
すべて書き込みなしの美品。わたし、いい年をして、勉強に目覚めている。
けれども、年も年だから、わからない本はいっさい読みたくない。
図解雑学シリーズは、こんなわたしがかなり信頼しているもの。

「インド思想史」(東京大学出版会)105円
「禅の智恵」(学研)105円
「神道の本」(学研)105円
「無門関」(西村恵信:訳注/ワイド版岩波文庫)105円
「こだわりを捨てる 般若心経」(ひろさちや/中央公論新社)105円


「インド思想史」なんぞ定価は3400円!
読むまえに買うのからしてたいへんな本である。ブックオフさまさま。
最近、禅関連の本をよく買う。悟ろうとしているのかなボクちん(笑)。

「トランスパーソナル心理学」(岡野守也/青土社)105円
「日本文学史」(久保田淳:編/おうふう)105円
「3日でわかる古典文学」(大橋敦夫・西山秀人:監修/ダイヤモンド社)105円
「カラー版 西洋美術史」(高階秀爾:監修/美術出版社)105円


そうそう、「日本文学史」も定価で買おうか迷ったものだ。
日本の文学史を1冊で理解できる大人向けの本は意外と少ないのである。
恥ずかしいけど「3日でわかる」のほうも、あと少しで買うところだった。

「1年で600冊の本を読む方法」(井家上隆幸/ごま書房)絶版105円
「打たれづよくなるための読書術」(東郷雄二/ちくま新書)105円


本は買うだけじゃなく、読まないといけませんね。

「こころに効く小説の書き方」(三田誠広/光文社)絶版105円
「すぐに稼げる文章術」(日垣隆/幻冬舎新書)105円
「大人のための文章術」(清水義範/講談社現代新書)105円
「書きたい! 書けない!」(マリサ・デュバリ/別所里織訳/愛育社)105円


本は、買う読むのみならず、書くこともできる。
早稲田で三田さんの指導を受けて作家になろうと高校生のわたしは思ったのだった。
結局、大学で三田さんの授業はひとつも取らなかった(取れなかった?)。
これが現在の失敗のもとになっているのでしょうか。
最後の翻訳書は本場アメリカのシナリオ作法書。定価1800円。
こんなのぜったいに定価じゃ買えないもんね。

「鹿男あをによし」(万城目学/幻冬舎)105円
「博士の愛した数式」(小川洋子/新潮文庫)105円
「夜のピクニック」(恩田陸/新潮文庫)105円


売れている本も読まなきゃな〜。ふつうの人とわたしは正反対なんだ。
一般の読者が娯楽として読む本を、わたしは勉強としていやいや読む。
一般人が勉強のため張り切って読む書籍をわたしは娯楽として読む。
買ったけれど、読みたくないな。だけど、買わなきゃ読まないもんな。
「鹿男」の作者、プロフィールを見たらおない年だった。なにやってんだか、おれ……。

「ハノイの犬、バンコクの象、ガンガーの火、」(小林紀晴/幻冬舎文庫)絶版105円
「間違いだらけの海外旅行術」(西本健一郎/宝島新書)絶版105円
「アンコール・ワット 旅の雑学ノート」(樋口英夫/ダイヤモンド社)絶版105円


みどくつ先生(西本健一郎)の本を買ってしまいました……。
ほんとうに作家はたくさんいる。まぎれこめないものかしらん。

「もとの黙阿弥」(井上ひさし/文春文庫)絶版105円
「山頭火の虚像と実像」(上田都史/講談社)絶版105円
「自分探しが止まらない」(速水健朗/ソフトバンク新書)105円
「編集者という病い」(見城徹/大田出版)105円


そのためには編集者さまのご意向をうかがわなくては。
作家は読者と勝負するというのは建て前ではないか。
高学歴高収入にして自尊心も高い、出版社の編集者さまといかに付き合うか。
カリスマ編集者から幻冬舎社長に成り上がった見城徹から学びたい。

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