「孤独について」

「孤独について」(中島義道/文春新書)

→よくある成功者の自伝なのだが、中島義道の苦労自慢は笑える。
大学教授になるという夢がかなうまでを赤裸々につづっている。
成功本によくある美談がほとんどないのがすばらしい。
こんな下劣な人間が姑息に生きていても運しだいで成功できるという事実が励みになる。
中島も、このことを訴えたかったのだと本書で書いているのだから自覚的である。

「私はつねに他人を家柄・学歴・職業・社会的地位あるいは容貌によって細々と採点し、
自分と比較し「上か下か」判定することをやめることができない」(P59)


こんな最低の人間でも大学教授のみならずベストセラー作家にまでなれるのである。
なまじそこいらの自己啓発本を読むよりよほど元気が出てくるではないか。

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