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「作家養成講座」(若桜木虔/KKベストセラ-ズ)

→エンターテイメント小説の指南書。
著者はライトノベルやミステリーを多数出版している。
出版業界の厳しさを教えられる。作家というのは個人事業主で、
いかに編集者とうまくわたりあうかが食っていく秘訣だという。
どのくらいの頻度で編集者に関心を持ってもらえる企画をだせるか。
書けといわれたら期日のあいだに書き終えられるか。
編集者から直しを命じられたとき、うまく改善できるか。
若桜木虔によると、作家は営業職なみの社交性が必要なようである。
とても自分には無理だと読後だいぶ打ちのめされた。
文学の世界では、人生苦が文章の深みにつながるといったような定見(錯覚?)がある。
もっというなら、小説はいかに生きるかを問うべし、という態度のことである。
こういった人間観が著者にはまったく欠如しているのが、
かえっていかにもエンターテイメント作家らしくて新鮮だった。
自分にはとてもエンターテイメント小説はむずかしくて書けないだろうと絶望する。
若桜木(わかさき)先生の教えから――。

「体験がなければ書けないのであれば、
大多数のミステリー作家は殺人事件を扱った物語を書けないことになる。
体験のなさを想像で膨らませることによって、
現実よりも迫真性に富んだ物語にすることも可能なのである。
いや、体験がないが故に、
体験がある作家よりもかえって面白い作品に仕上げられる例も多々ある」(P107)

「万に一つも体験できる可能性がないからこそ、読者は物語にのめり込む。
実社会では「非現実的」であっても、
物語の虚構の世界では一貫した統一性の下に寸分の狂いもなく構築されているかぎり、
「現実的」なのである」(P186)

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