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【ご報告】2月13日に買った本

繰り返しになるが、本はもういらないのである。
いまうちにある本を読むだけでも何年かかるかわからない。
だのに、なにゆえ本を買おうとするのか。
この日、行ったのは「リブロ池袋本店春の古本まつり」。
19日、来週の火曜日までやっている。
古本デビューするには最適の環境なので、
なにかのきっかけにしていただけたら書き手としてこれほどうれしいことはない。

おそらくなにごとにも相性というものがあるのだろう。
池袋リブロの古本まつりは、これまで何度も行っているが、決まって収穫がある。
いっぽうで何度行こうがだめな古書市というのもあるのだが(銀座は嫌い)。
いい本を安く買うというのはたまらない快楽である。
人間は裏切るが、人間の書いた本は決して裏切らない。
人間は日々変化する。1年前とおなじでいるわけにはいかない。
だが、かれの書いた本ならば1年前のままなのである。
書籍の魅力である。読書の無益もこのことが関係する。人間は変わる。書物は変わらない。

リブロ3Fの特別催事場へ。あこぎな古本世界とは相反する上品さに目がくらみそうになる。
とある棚のまえで立ちどまる。死を思う。
だれかが死んで遺族が蔵書を放出したとしか思えない。
本キチガイならわかるであろう一貫性を有する西洋文学書籍が並んでいる。

「オレアナ」(デビット・マメット/酒井洋子訳/劇書房)絶版 400円

米国戯曲。死者は演劇にも興味があったのかとうれしくなる。
「オレアナ」は探していた絶版本である。
いぜん1000円で見かけたが、買わなかった。定価は1400円。
待てば400円で買えるのである。
さあて、演劇関係があるのならば、この近辺の棚は落ち着いて見なければと思う。
すると、かつて探していた本が激安で売られているではないか。

「ラシーヌ戯曲全集ⅠⅡ」(人文書院)絶版 1050円

昭和39年に出版されたラシーヌの全集である。
ラシーヌは、コルネイユ、モリエールとならび評されるフランスの古典劇作家。
現存する作品は12。そのうち読んでいるのは3つである。
作品自体は筑摩書房の「世界古典文学全集48」(鈴木力衛編)を持っている。
ここに全作品が収録されている。
けれども、どうしてもこの2冊完結の全集がほしくなる。
翻訳が筑摩書房のものよりも新しい。活字が大きいのも読みやすい。
しかし、とためらう。買っても読まないのではないか。
ラシーヌの代表作はすでに読んでいる。
全作品を読みたいと思うほど影響を受けた作家ではない。
迷う。わたしは知っている。この2冊は貴重な本なのである。

ビニールカバーにくるまれている。きれいな帯までついている。
こうまで美品のラシーヌ全集が1050円というのはいけない。
せんじつめれば、これが購入理由かもしれない。
買ったのち、ビニールカバーをはずしてみると、思いのほか状態がいい。
とても45年前に出版されたものだとは思えなかった。

やはり池袋リブロとは相性がいい。
もう本はいらないといっているのに、本のほうからよってくるのだから。
ためしに「もう女はいらん」なんていってみようかしらん(笑)。

「’90年鑑代表シナリオ集」(シナリオ作家協会編/映人社)絶版 600円

1990年に上映された映像作品のシナリオを収録したものである。
もしやと思い、目次を調べる。歓喜する。こいつはついているぜ!
篠田正浩監督「少年時代」シナリオが収録されている。
この映画のシナリオが山田太一なのである。
山田太一は、めったに原作のあるもののシナリオは書かない。
映画とも距離を置いている。
そんな山田太一の手なる稀有な映画シナリオがこの「少年時代」なのである。
600円という価格がうれしい。定価は2800円。
収録作品数の10を考えるとやむをえない金額なのだろう。
だが、わたしの読みたいのは「少年時代」のみ。
1000円だったら躊躇したかもしれない。
600円という値付けをした古書店のどれほどセンスがいいことか。

映画「少年時代」はむかしテレビで見たことがある。
むろん、いまでも難なくレンタルビデオで借りられるのだろう。
しかし、わたしは読みたいのである。映像になるまえのシナリオを読みたい。
「’90年鑑代表シナリオ集」をカゴに入れる。
今日はなんて運のいい日なのかと身震いがとまらなかった。

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