「崖」

「崖」(井上靖/文春文庫)絶版

→病院の待合室で読み始めた。昭和36年東京新聞に連載されたもの。
上下巻あわせると全911ページ。
若者に人気らしい保坂和志という作家が、
「小説にストーリーしか求めていないバカは死んでください」(荒い要約)
といったようなことをどこかで書いていたけれども、真っ向から反対します。
小説の愉(たの)しみは、あらすじを追うことにあるのでしょう。違いますか。

これなんか退屈しない読み物だったけれどもな。
読みやすい文体で書かれた、
先が気になる小説のあらすじを追う愉悦はそんなバカにされるもの?
ある程度のスピードで読め、かつ美しい文章を書くのは至難のわざと思いますがね。
読者をひきつける物語を構築するのもかんたんではないのでは?
先が見えるうそ臭いストーリーならすぐ読者に捨てられてしまいますよ。

中間小説「崖」は事故で記憶を喪失した青年が快癒するまでを描く。
神経質なわたしが電車や待合室のなかでも読めたのはうれしかった。
家ではお酒をのみながら読んだ。
なんで読むかと聞かれたら、先を知りたいからと答えるほかない。
この先どうなるのか見てみたい。これはそんなにバカにされる欲望なの?

では、なんで井上靖はこのようなおもしろい物語を書けるのか。
もしかしたら仏教と関係あるのかと思ったけれども、
井上靖の場合はどうやら生まれ持った資質と思われる。
「わが文学の軌跡」を読んで了解した。
たとえば高校生のころにこんなことがあったという。
仲間と映画を見る。
そのあと井上青年は仲間に続編はこうしたらおもしろいのではと語る。
すると、ほかのひとはまったくそういうことを考えていない。
青年・井上靖だけがこの先のストーリーを想像していた。
仲間は井上靖の話をおもしろがる。

ここからは、くだらない自分語り。
この懐旧談から考えると、ストーリーテーリングの能力は天性のものなのか。
わたしなんかも、書きたいのはおもしろいものである。
少しでも大きなものを書きたいと思っている。
けれども、どうやら才能がないように思われるのである。
ウソでひとを楽しませたような経験がほとんどない。
(と思ったら、ひとつ思い出したが、2ちゃんねる、そうか、あれが物語か)
いっぽうで人生上の切実な問題がある。
これを小説を書くことでなんとかしたいが、エンターテイメントとは結びつかない。
かといって、私小説を書こうという気にも……。
まあ、おもしろい物語が好きなんだ。
けれども、それを自分が書けるかとなったら話は別で。
……わかりません。

COMMENT

ミニスたん URL @
07/11 19:03
. ぷぷぷぷぷぷ。
ヨンダは佐藤亜紀「小説のストラテジー」でも読んだらいいんではないでふかねwブコフに転がってる確率は低いと思いまふが。
スレからの転用でふが、
「小説に人生とかそういうのを見出そうとしてる人たちがあれだけいるとは」
とか言う人間でぷw「そういう人もいる」という風には参考になると思いまふ。
Yonda? URL @
07/11 21:48
ミニスたんよ. 

大丈夫?
ミニスたん URL @
07/13 19:31
. ぷぷ!どこかの阿呆のせいで2chアク禁にされるだけでぷw
ミニスたん URL @
07/13 19:33
. ミスでふw
されるだけでぷ→されてるだけでぷ
Yonda? URL @
07/13 20:51
ミニスたんよ. 

元気がいちばん! よろしい、よろしい!








 

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