ここ数年の変化はまったくといっていいほど本屋に行かなくなったこと。
新刊書店も古本屋も、あれほど大好きだった古本まつりも。
大学を出てしばらくは新刊書店の時期というものがございました。
5年くらい経つと新刊書店では売られていない膨大な本があることに気づく。
いくら大型書店だって新刊のストックには限界があるわけだから。
そんなこんなで古本屋めぐりや古本市もうでを始めたら、これがめっぽうおもしろい。
ブックオフもそのひとつにふくまれるだろう。
なにがおもしろいかって、いままで知らない(書物)世界に偶然に出逢えるから。
あれ、この本なんだろうと手に取ったときの興奮は生きがいにさえなりえた。

さらに古書世界は定価がない。
骨董品ではないが、とんでもない貴重な本をときに数百円や千円程度で入手可能。
人間は、なかなか、知らない世界とはぶつかることができない。
なぜなら、知らない世界は、それまで知らないから出逢いようがないのである。
貴族は貧民のグルメに出逢えないし、下層民は高級グルメのすばらしさがわからない。
古書世界の出逢いの法則は、まったく偶然のたまたまで運とかツキの世界である。
どこに自分の師匠や先人がいるのかわからないのだから、こんなときめきはないだろう。
わたしは古本偶然世界により、ストリンドベリやユージン・オニールを知り、
偶然を信じていたら両作家とも邦訳作品はほぼぜんぶ手に入れ読了することができた。
どこぞの教授先生から
ストリンドベリやユージン・オニールを読めと指導されたわけではない。
自分でストリンドベリやユージン・オニールの存在を創価したのである。
わたしが偶然のお導きを深く信じて、古書世界にわくわくしながら滞在した。
ムーちゃんからはそんなことをするくらいだったら、その時間働いて、
その金で多少高くても一流古書店で買えばいいじゃないかと言われたが、
それは違うのである。
ストリンドベリに古本屋で出逢うまではストリンドベリのことを原理的に知りえない。
ストリンドベリの翻訳がいくつあるかは、どの書籍にも出ていないのだから。

こんな本屋好きだったわたしが
いまはどうして新刊、古書ともに店舗におもむかなくなったか。
理由は時代的な理由と個人的事情がある。
いまはインターネットが異常発達している。
はっきりいって、交通費をかけ大型書店まで行き本を買うよりもネットのほうが安い。
古本も同様で、いまは古書店もネット参入しているからむかしよりも掘り出し物がない。
むかしからいっていたことだが、古本屋の接客はあまり気持のいいものではない。
それに本って重いじゃん。
若いころはよかったけれど、いまは重い袋をかかえて満員電車に乗るのはちょっと……。

個人的事情としては40過ぎまで本が好きだと、ある程度はこの世界が見える。
いまさら古本まつりに新たな出逢いを求めなくても過去吸収情報でアタリがつく。
なんとなくこのへんがおもしろそうだなというのはわからなくもない。
しかし、インターネットの弱点は本を立ち読みできないところにある。
ぶっちゃけ、数ページ読んだら、その本に購入する価値があるかどうか直感的にわかる。
が、インターネットだと立ち読みができず、
くだらぬ阿呆のレビューに頼らなければならない。
いまでさえ高額の図書はさすがに立ち読みしないと怖くて買う気にならない。
まあ、そこはブランドでこの出版社のこの企画なら信頼できるという読書家の常識はある。

いま「本の山」のメニュー仕入れ先はアマゾン、楽天、ブックオフオンライン。
アマゾンに一本化してもいいのだが、
だれもうちのアフィリエイト(広告)から本を買ってくれないからポイントが来ないんだよ。
みなさん本を読みましょうよ。
いまは老若男女どこでも片時もはなさずスマホにしがみついている。
あれは絶対にバカになるからね。主体性がなくなる。自分の味覚を喪失する。
しかし、インターネットはいいのである。
わたしはブックオフオンラインのお得意さまだが、あそこは便利で楽しく、
旧ブックオフ的な面も少しは残存しており、自宅であの興奮を味わえるのは幸福だ。
ブックオフオンラインの検索ワード欄があるでしょう?
あそこに思いつくままに気になる言葉を入れて、順番を安いものからにする。
すると想像していた以外のものもヒットしてセレンディピティ的な昂揚感を味わえる。
「幻冬舎新書」の新しい順、安い順に検索してもいい。
「創価学会」でも「光文社新訳文庫」でも「官能小説」でも「傑作選」でもいい。
検索ワードしだいで、思いも寄らぬ出逢いが生じるのはリアル古書世界同様。
こちらは数量も膨大だし郵送してくれるところがいい。
しかし、最近まで知らなかったが、
いまのブックオフオンラインはライン本(書き込み本)も売っているらしい。
だから、へたをすると2千円で買った本が蛍光ペンでピカピカしていることもある。
それはリアルにおもむかずネットで済ませようとするもののリスクだろう。

楽天も好きだけれど、
ブックオフオンラインは大好きでここで買い物をするほどの快楽はめったにない。
似たショップにネットオフがあるけれど、あれは別会社で、注文品が来ないこともあり、
買取も1冊1円だし、あんまりかかわらないほうがいいと思う(実体験)。
文春文庫のアンソロジー全集8巻をもうすぐ読み終わるので、
ものさみしくなり中毒患者のようにブックオフオンラインへ。
メールボックスを開いて昨日だったら楽天ポイントが十倍ついたことを知るが、
こういうものは運だから仕方がない。
今日売っていた本も明日にはないというのが古本世界の常識だが、
ユーザーが多いネット古書ワールドではそれがもっとあからさまに見える。
カートに入れていたら消えていく書籍なんていくらでもある。本は見つけたときに買え。
エアコン寒いなあとぬくぬくしながら本日ブックオフオンラインで仕入れたもの。
カテゴリー「買った本の報告」はちょー久々の更新よ。

「14歳の本棚 家族兄弟編 青春小説傑作選」(新潮文庫) 108円
「14歳の本棚 初恋友情編 青春小説傑作選」(新潮文庫) 108円
「14歳の本棚 部活学園編 青春小説傑作選」(新潮文庫) 108円


短編小説のアンソロジーっていいなあ、と思っていたら、これを発見。
それほど文春文庫の「アンソロジー人間の情景」はすばらしかった。
もうこの齢になると作家全体を見たいというよりも、おいしいところだけ食べたい。
こういう小分けのメニューだったら、新たなひいきを見つけられるのでよい。

「ユージン・オニール ノーベル賞アメリカ劇作家」 (,西田実訳/講談社出版サービスセンター) 348円

いいか、ストリンドベリもそうだが、ユージン・オニールは我輩さまの作家である。
ウィリアムズもミラーもアメリカ演劇の父、オニールに比べたら足元にも及ばない。
この本は不幸で新訳を載せているらしいのだが、アマゾンレビューがひとつで酷評。
なんでみんなアマゾンのばかレビューなんか信じるのだろう。
海外の劇作家でいちばん好きなのはユージン・オニールである(国内では山田太一)。
翻訳された劇作品はぜんぶ読んでいるし、
どれも(いまではとても書けない)熱を入れた感想をブログに刻み込んでいる。

「人生を変えた時代小説傑作選」(文春文庫) 198円
「酔うて候 時代小説傑作選」(徳間文庫) 198円


いままで時代小説は大の苦手だったのだが、
文春文庫の「アンソロジー人間の情景」を読むとそういうものも入っていて、
かえってアメリカのふるくさいポップ小説よりもおもしろい。
まあ、お試し感覚だな。ここだけの話、菊池寛の短編は芥川よりもおもしろい。

「姦の風景 「性」のミステリー傑作選 オリジナル・アンソロジー」(森村誠一/幻冬舎文庫) 108円
「十三歳の実験 長編小説」 (富島健夫/光文社文庫) 108円
「女巡拝記」 (梶山季之/徳間文庫) 108円
「谷崎潤一郎マゾヒズム小説集」(集英社文庫) 198円


みなみないわゆるエロ小説である。もう老齢のせいかエロ動画よりもってまじかい?
どれも、もっとも信頼している文芸評論家の小谷野敦先生の天の声により購入。
どんなアダルトビデオよりも小説(言葉)は、
変態性的傾向(あるいは欲望)を刺激、回収できるのではないか?

「どうして時間は「流れる」のか」(二間瀬敏史/PHP新書」 198円
「数学で未来を予測する ギャンブルから経済まで」 (野崎昭弘/PHP新書) 198円


いまタイムマシンに興味があるんだよ。
藤子先生の「T・Pぼん」は子どものころからの愛読書で数日まえ再読してさらなる大感動。
あのタイムパトロールの漫画はものすごく深い世界を描いている気がしてならない。
さてさてPHPといえば、年下の池田大作先生に土下座したあの人だよねえ。

「松下幸之助ビジネス・ルール名言集」(PHP新書)

ビジネスはルールもマナーもまったくの無知。
歳を取るごとに気づくのは、いかにお金がたいせつかである。
お金をたくさん稼いだり、回した人はやはり偉くないとはいえまい。

「モーパッサン傑作選」(ハルキ文庫) 298円

フランス人やフランスかぶれは嫌いだけれど、モーパッサンの短編はおもしろくない?
フランスのエセお洒落なところを自陣から心底よりバカにしているところがよろしい。

「雪の音 雪の香り 自作への旅」(三浦哲郎/新潮文庫) 198円
「旅雁の道草」(三浦哲郎/講談社) 198円


自死遺族文学の天皇陛下、三浦哲郎先生のエッセイを購入。
上の新潮文庫は積ん読していたと思って探したがどこにもなかった。
早稲田仏文卒の三浦哲郎に認められたいと思っていた一時期がございました。
そんなことを思っているうちに、気づいたらお亡くなりになっていました。
わたしの「志乃」はもう現われたのか、それともこれから登場するのか。
それにしてもである。三浦哲郎のころは早稲田の仏文も文学臭があったのに、
どうしていま母校はイカサマ批評が幅を利かせているのだろう。

「風の誕生」(長部日出雄/福武書店) 198円

これなんかインターネット社会の恩恵といえるだろう。
ブックオフオンラインで「一遍」で検索していたらこれがヒットする。
聞いたことないなと思ったら踊り念仏の一遍を描いた長編小説らしい。
一遍かいわいの本はかなり目を通したけれど、これは知らなかった。
恥ずかしながら長部日出雄も知らず、ネットで調べたら直木賞作家。
ならば、そこまで退屈ということはなかろう。
いまはなき福武書店のこの(たぶん)売れなかった本をわたしが読んで、
その感動をうまくブログで伝えられたら、
また新たな価値が生まれてべつの出版社から再販されることもあろう。
しかし、本を買うのにも読むのにも感想を書くのにも時間と金がかかる。
正直198円だから買ったが、読めるかどうかは将来の経済状況、忙しいかどうかによる。

「馬上少年過ぐ」(司馬遼太郎/新潮文庫) 198円

格好いいのか恥ずかしいのかわからないけれど、
いままで司馬遼太郎の小説を一度も読んだことがない。
短編小説集で収録作品のひとつに興味を持ったから。
けれど、男性恐怖症の処女のような司馬遼太郎アレルギーがあるから読むかどうか。

最後に申し上げたいのは、早稲田ばか教授のいうような「必読書」なんてありません。
村上春樹でも宮部みゆきでも伊坂幸太郎でも角田光代でも、
みなさんお好きなものをお好きなような解釈で、
ぜひぜひ楽しみながらお読みになるのがよろしいかと存じますですね。
むむむ? 気づけばブックオフオンラインから裏金をもらいたいくらい宣伝しちゃった。
もちろん、もらっていないし、なぜなら完全無名人なのでさ。

(ブックオフオンライン)
http://www.bookoffonline.co.jp/

*例によって誤字脱字失礼。いまとっ散らかっていて。