働くことに社会勉強や人間観察の価値を加えてみると、
あるいは低賃金でも納得できるのかもしれない。
広い社食で周囲を見回していると、男はみんな異常なほど早食い。
女はじめじめとした仲間に気を遣いながら、
世間話をしつつゆっくりランチを食べている。男は黙々と早食い。
ある人があるものを食べるのを見ていたらわずか3分で食べているの。
なんでそんなに急ぐのよ。
食事にはそれぞれのペースがある。わたしは食べるのが遅いほうだ。
外食はめったにしないが(高いから!)、
わたしのやり方はまず酒で気持を高めてからようやく食事に入る。
宴会(なんて20年近く行ったことはないが)でこれをやっちゃうと、
ようやく食欲が出てきたころには、食べるものがすべてなくなっているはずである。
このまえ社食でアジ南蛮B定食をいただいたときにおのれの異常に気がついた。
男性陣が5~10分で食べ終わっているランチを、
わたしは25~30分かけてちんたら優雅にも味わっていたのである。
早食いといえば、思い出すのは父である。
子どものころから父と外食すると、
こちらが望んでもいないメニューを大量に注文され、
「おれには時間がない」「速く食え、もっと速く食え」と迫られた。
おそらく父は家族サービスをしているつもりで、いい気分になっていたのだろう。
そういうふうに強制的に高速で詰め込まれる料理がうまいはずはなかろう。