「方丈記」を読み終わる。
行ったことのない川の向こうに足をのばしてみようかと思った。
川の向こうには、小さな川がいくつかあった。
橋をふたつわたると、住宅街には場違いな新しいショッピングモールに出くわす。
以前バイトで通っていた南砂町にある建物のようだと思う。
ここにもカルディが入っていたので、入口であたたかいコーヒーをもらう。
バイト仲間だったNさんはいまどうしているのだろう。
むかし女性と六本木ヒルズに行ったことをはにかみながら自慢した九州男児のNさん。
2階の本屋に向かい、片端からテレビ雑誌を立ち読みする。
毎年の恒例行事。来年の占いを読むためである。
決まって年末には、来年の占いをすがりつくようにして読んでいる。
占いが当たったことは一度もない。
一誌に来年の下半期、12年に一度の幸運期に入るという記述があり涙ぐむ。
あれから12年になるのだと思う。
1階の生鮮食品売り場でさんまの刺身が半額だったので買って帰る。
電車で鉄橋をわたり、川の向こうからこちらに戻ってくる。
日本酒の熱燗とともに酒肴を頬張る。
今年最後のさんまになるのだろうとよく味わう。
夜半、目覚める。トイレでもどす。
胃腸系は強いので、吐いたのは4年前のブノンペン(カンボジア)以来だ。
また目覚めると訃報が入っていた。
亡母の血縁が死んだという。
もう逢うことはないのだなと思った。
冷たい美しさを持った人だった。


(後記)
この記事を書いてから酒を持って荒川に向かう。

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川の向こうを見ながら酒をのむ。

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あっという間に日が暮れる。