以下、肝臓に心配のある飲酒者のほかは読んでもつまらないと思います。
自分のためだけにくだらないことを書いてごめんなさい。

生身のわたしを知る人にはとっくにばれていると思うから書いちゃうと、
2週間も禁酒したのは、えへへ、そう……当たりで、ドクターがうるさかったから。
いやまあ、一見すると無頼ぶっているけれど、
医者からガミガミ言われたくらいで酒をのまなくなるなんて我ながら情けない。
医師が問題にしたのは、酒呑みにはよく知られるγ-GTではなくALT。
どちらも血液検査で得られる数値。
ALTもγ-GTとおなじで肝機能の数値を示す。
やたら内科医が慌てている数値はALT106。
「肝臓そのものが……肝臓の細胞が壊れてきているのかもしれないよ」
「このままだと肝硬変になるかもしれない。最悪の場合、死んでしまうよ」
こう脅されたのは今年の10月。
酒量を問われたけれど、まあ、そこはみなとおなじで適当にぼかしておく。
肝機能悪化の原因を知りたいから、また来月採血をするとの告知。

無頼気取りだけど、根はチキンだから、かなりあせったな。
とうとう来たかという思い。
そのよくない数値も禁酒を4、5日した後の採血結果。
よし、やったろう、今度は1週間じゃない、2週間酒を抜いて検査に挑もうと決意。
その数日後だったか。区がやってくれた35歳検診の結果が出たのね。
ちなみに医者が問題視したALT106は9月に採血したもの。
35歳検診の数値は10月に検査した結果。
どきどきしながら結果を見たらALTは77なのである!
百以下はセーフとドクターは言っていたから、これならぜんぜんOKではないか。
そのときの医者にALT106はそんなに危ないのかと問うと、そうでもない様子。
想像していたけれど、うるさい医師とそれほどでもない医師がいるようである
しかし、どうしてだろう。
ALT106もALT77も事前に禁酒した期間はほぼおなじなのである。
だいたいどちらも4日ではなかったか。
ALT77の採血前には4日間、デパス(安定剤)をのまなかったのが唯一の相違。

それでもやはり一度決めたことは守ろうと2週間の禁酒を断行する。
最終日には律儀にも、これまでの血液検査の結果をすべてレポート用紙にまとめた。
「いつ死んでもいい」とか普段からふかしているのに、とんだ大法螺野郎である。
なんだか笑えませんか? 手書きで数値をこまごまとメモしているわたし……。
この過程で意外なことがわかる。
ALT106なら以前にも出していたのである。
3年前の2月にこの数値を出しているが、当時の医者はなにも言わなかったと記憶している。
さて、2週間禁酒しての採血である。
この日は超特急採血のため検査結果がその日にわかる。
2週間も禁酒したんだぜ! それはそれは期待しましたよ!

整理しておこう。
9月(禁酒4日)→AST(66)、ALT(106)、γ-GT(263)
10月(禁酒4日)→AST(43)、ALT(77)、γ-GT(196)
お医者さんが問題にしているのは「ALT」である。
さて、2週間禁酒して前日もデパスをのまなかった血液検査の結果は――。
11月(禁酒14日)→AST(37)、ALT(91)、γ-GT(139)
問題のALTは91!
驚くことに、2週間も禁酒したのに大して下がっていなかったのである!
それどころか4日禁酒時よりも悪化している始末。

がっかりのあまり、わたくし、お医者さんに食ってかかるような表情になる。
一方で、これまでかなり偉そうだったお医者さんが申し訳なさそうな顔になった。
「どうしてあんなに禁酒したのにALTが下がっていないんですか?」(逆ギレかよ!)
「ううん、どうしてだろうね……」
「おかしいじゃないですか!」
「でも、γ-GTがよくなっているじゃない。ほら、よかった」
「このくらい(舌打ち)」(態度わるっ!)
「これでも基準値よりは上なんだよ」
「これ以上は無理です! これでもう十分じゃないですか!」
「たしかに、まあ、優等生の数値だよね」
「ALTはどうしてなんですか?」
「お酒が原因じゃないってことかな……」
「そもそも10や20の数値に一喜一憂するなんておかしくないですか?
106も77も91も、そう大して変わらないじゃないですか!」
「いや……その……次回、もう一回検査してみよう」
「またですか!(怒気)」(ナニサマだよ、おいおい!)
「ごめんなさい。もう一回、見てみたいから」

2週間も禁酒した苦労がまったく報われず、とても怖い顔をしていたのだろう。
高学歴高収入のお医者さんに「ごめんなさい」を言わせてしまった。
酒をのまないとぜん息が悪化することを伝えたからかもしれない。
失意落胆よりもバカヤロウという感じだった。
2週間も必死で禁酒したのに、大して数字はよくなっていなかったのだから。
原因と結果ってなんだろうとつくづく思う。
身もふたもないことを言うと、血液検査の結果なんて「たまたま」じゃないのか!
「たまたま」の数字における、
50や60の(基準値からの)超過をそこまで問題視するのってどうよ!?
そもそも基準値からして、ころころ変わる当てにならないもののような気もするが。
ALT百以上がアウトと言うなら、わずか10や20の数字を問題にしているわけでしょ?
数字で人間の身体が完全にわかるものかいな。
もちろん、ドクターには言わなかったけれども、こんなことを思ったものである。

帰途、紀伊国屋書店で酒場ライター大竹聡さんの新刊文庫を立ち読みする。
ぱらぱら読んでいると作者のすてきな肝機能のことが書かれている。
まあ、おれの肝臓なんてまだまだ甘いもんだとニヤニヤほくそ笑む。
このときの笑みをはたから見たら、ものすごくいやな顔をしていたことだろう。
上には上がいるもんだと安心したのだから。

さあて、次回の血液検査はどうすっぺえか。
もう今度は2週間も禁酒なんてぜったいしないぞ。あんなもん意味がないんだから。
いちおう原因結果で考えたら理論上は4日のデパス抜き禁酒でセーフのはず。
最近やたらオルニチンを摂取しているから、これでなんとかは……。
そうそう、それに出してもらったお薬も肝臓にいいとか、なんとか。
まあ4日のデパス抜き禁酒で試してみるのも手かな。
ウォーキングを1.5倍に増やしたらあんがいOKのような気もする。
これで結果が悪かったらまた違う方法で数字を下げるべく挑戦すればいいのだから。
ある程度の節酒は心がけるが酒をやめるつもりはない。
なんとかうまく検査を切り抜けながら死ぬまで酒をのみたいと思う。
それにしても、たかが数字に振り回されるわたしはほんとうに格好悪い。
以下、自身のくだらぬ健康情報を書き残しておくのは、もっぱら後の参考のため。
後日ブログを検索すると自己の健康の推移がよくわかってとても役立つ。
とても人様にお見せするものではないので、どうか無視してくださいませ。

11月7~20日、2週間にわたって禁酒する。
理由は万が一にもお読みになっている方がいるかもしれないから秘密にしておく。
過去の最高は8日だから記録を大幅に更新したことになる。
覚えているかぎり当時の情報をメモしておく。

・やたらメシがうまくなる。なにもかもがこんなにうまいのかと感動する。
・レトルトカレーでいいと思っていたのにやたら自炊してしまう。
・精神鈍重、知力後退はいつものとおり。読書ままならず。
・デパス(安定剤)抜きで寝た日もあったが、やはり服用したほうが翌日は好調。
・1週間程度で酒が抜け知的活動が復活すると期待したもののかなわず。
・むしろ1週間経過したあたりから禁酒がつらく(バカらしく)なる。
・数日ほど、どうしようもなく飲酒したくなる日あり。
・とにかく甘いものがうまい。スーパーでの3割引の大福購入がなによりの幸福。
・睡眠のためコーヒーを飲まないようにしたが大した効果は見られず。
・よくないのだろうが食べた直後に眠れることが多い。
・やむなく食後の短時間睡眠で不調を補う。
・禁酒時にたまに見られる宗教的な法悦の自覚(錯覚)はこのたび得られず。
・禁酒期間中、通常なら暴飲する類の不運と遭遇するが酒に手を出すことはなかった。
・本は読めなかったが、かろうじて漫画は読むことができた。
・しじみ70個ぶんのなんたらというインチキ臭い味噌汁を飲み始める。
・文章書く気起こらず。懸賞に応募するものはおろか、ブログ更新もままならず。
・すべてがどうでもよくなる。無関心。退廃気分。ぜん息は悪化するばかり。

禁酒2週間を経て飲んだ酒は「うまい」のひと言。
翌日、おもてに出て見た世界はなにやら神々しく輝いていた。
抑制こそ快楽に必要なものと再認識する。
以後、酔いをしみじみ意識して飲むように変化する。
詳細は書かないが、あのショックにもめげず禁酒を継続できたのは自信になる。
たぶん廃人のように生きていくのなら一生禁酒することも可能であろう。