05/02/20 10:20:00
「理由」(宮部みゆき/新潮文庫)
→去年の夏にこれを買ったのは Yonda? くんのブックチャームがほしかったから。
むかしをふりかえる。読書のきっかけって宮部みゆきなんです。
高校生時代。「レベル7」や「龍は眠る」。
どうしてこんなにおもしろい小説が書けるのだろうとふしぎでしょうがなかった。
はらはらどきどきの連続で、読み終わるのが惜しくて。
幼稚なのだと思う。
世の天才は高校時代にニーチェやリルケにはまるらしいから。
「理由」。ご存知、直木賞受賞作。風邪を引いたから読んだ。
なんていうのかな、たまには心底から娯楽の読書をしようと。
ふだんの読書はどうしても、なんだかな、勉強というのか変な計算が入ってしまう。
だけど、残念。この「理由」はあんまおもしろくない。
でも、うーん、大衆の評価(ベストセラー)も
識者の評価(直木賞受賞)もある小説だから、
それをいま鬼の首でも取ったかのように「くさす」のは……。
そういう気取った行為って嫌いなんです。
じぶんの評価だけがただしい、大衆も知識人もわかってない、みたいのはちょっと。
だから、まあ、沈黙ということで。はい、終わり。
05/02/09 14:18:57
「日本神話」(上田正昭/岩波新書)
→学問てえやつは、重箱の隅をつつきつづけるものなのか。
まいった。岩波新書だからと信頼していたら(考えてみたら信頼する根拠なんてないか)。
上のほうで書いたよね。
「一般的に」日本神話とは古事記の上巻に書かれた神々の物語だと。
だけど学者さんはこんなことを納得したら飯が食えなくなるわけで、
日本書紀やら、その異聞、また出雲風土記やらを持ち出してくる。
A(古事記)にはこう書いてあるが、
B(日本書紀)にああ書いてあるのはどうしてかというと、
それはCを見なければわからないのだが、
しかしここで注目したいのがDにこのような記載がある点で、
なんとか教授の新説の根拠となったEともこれは矛盾しないから……、
とこう延々とやっているのが本書。
感想は1行目に書いたことに尽きる。
この著者に読者を楽しませようなどという気持ちは微塵もない。
あとがきによると、本当は新書など書きたくなかったとのこと。
なら書かないでくださいよ……。
京都大学名誉教授か。生前は先生、先生とちやほやされたのかねえ。
上田正昭。その講義は不眠症の学生にさぞありがたがられたことでしょう。
05/02/09 13:49:31
「日本神話の英雄たち」(林道義/文春新書)
→かっこよくいうと、日本神話をユング心理学で読み解こうとする知の冒険書。
ふつうにいうと、日本神話をユング心理学で遊び尽くしましょうという本。
だから、あらかじめ日本神話のあらすじくらいは知っておかないとつらいかも。
ふむ。お客さんとしての評価は高い。わかりやすくて非常に満足。
(余談だけど、日本のユング紹介者の文章ってどうしてこんなにわかりやすいのだろう。
原典はあそこまで難解なのに)
で、この新書。読んでいる間は、すらすら頭に入ってくる。
もうわかってわかってしょうがない、てな感じで。
だけど、読了して1時間もたつと、え? と思えてくる。
なんか狐か狸に化かされたような。
おなじユング学者の河合隼雄の本を読んだ後にも似た感触。
なんなんでしょうかねえ、この感じ。ユングの胡散臭さ?
おっと、こっちの林道義は河合隼雄と一緒にはされたくないようで、
著書の中で何度も河合隼雄批判をしていました。……内ゲバはやめなさい(笑)。
05/02/09 13:20:42
「わかりやすい日本の神話」(出雲井晶/中公文庫)
→1月の新刊。
前述の阿刀田さんの本を読んでわかったのは、
じぶんが本当に何も日本神話について知らないこと。
そのため「楽しい古事記」は2回読みました。
まったくのゼロから日本神話というものを頭になじませるのはかなりたいへんでした。
で、日本神話2冊目がこれ。
本書は、うーん、微妙というほかない。
いい本なんです。
幼児に話しかけるようなわかりやすい文体、大きな活字、
絵まで入っている(これにかなり助けられたことを告白)。
……ただ一点をのぞけば。
著者のおばあさん、絶対的な天皇崇拝者なんです。
真性右翼とでもいうのでしょうか。
かなりの電波がでてるんですけど、笑ったなんていったら失礼かな。
天皇陛下は神様です。
なぜなら陛下の祖先は天照大神だからです。
ええ、そうですか。そうですか。そうですか。
05/02/09 12:54:49
「楽しい古事記」(阿刀田高/角川文庫)
→ある日、ふと思った。
なんでギリシア神話にはやたら詳しいのに、
日本神話についてまったく知らないんだろうと。
神話を持たない民族はないらしいから、
とすると日本にも神話というものがあることになるわけだ。
なんで知らないんだろう。どうして今まで関心を持たなかったのだろう。
すぐに理由がわかった。
ああ、そっか、日本の神話は天皇制にダイレクトに向かうからか。
つまり例のウヨサヨ(右翼左翼)のわずらわしいあれ。
だから無意識的に日本神話を敬遠していたのかと国語便覧を閉じ汗を拭く。
一般的に日本神話とされているのは、古事記の上巻に書かれた神々の物語。
で、この古事記は7世紀に天皇が命令して作らせたものだから、
当時の天皇家に都合がいいように書かれてあるわけで、その点、
ホメロスなんかの吟遊詩人が伝えてきたギリシア神話とはいささか毛色が異なる。
まあ、そんなわけで日本神話にはギリシア神話にはない政治性とでも呼ぶべきものが
あるわけですが、とりあえずどんなものかを見てみようとお世話になったのが
今回も阿刀田さん。よき紹介者であります。