04/03/08 11:05

「恋におちたシェイクスピア」
(マーク・ノーマン&トム・ストッパード/藤田真利子訳/愛育社)


→映画シナリオ本。左ページに英語、右ページに日本語。
よくあれは大衆娯楽作品だからなどとヒット作をバカにする声を聞くけど、
本作品は老若男女、誰しも楽しませるエンターテイメントであるばかりでなく、
作品そのものがひとつのシェイクスピア論になっているところに脅威を覚える。
アメリカってすごいなぁ、天才っているんだなぁと脱帽するよりほかない。
わたしのようなシェイクスピアマニアをにやりとさせる心憎い部分があり、
またシナリオ技術的な面でおおいに見習うべき個所もありで、もう満腹です。
観客をどうやって楽しませるかという職人的秘術がこのシナリオにぎっしりつまっている。
泣かせるツボや笑わせるツボの押し方。
キャラクター設定の仕方。
室内シーンと室外シーンの比率。
ベッドシーンとアクションシーンの入れ方。
映画(ビデオなんだけどさ)で見たときには気づかなかったことばかり……。

ひとつ難点を。日本語訳は字幕を採録したものだと思うんですけど、
(字数の制限は知っています、が)日本語として意味が通じないところが多い。
映画で見たら画像の迫力で流せるから気にならないのだけど。
で、横の英語を見ると、あー、こういうことねとわかる。英語なんてほんと久しぶり。
そんなわけでちょこちょこ原文を参照しながら読みました。すると気づく。
英語ではぴしっと決まっているセリフが、横の日本語ではまったくだらしのない
ものになっていることがなんと多いことか。
訳者の責任じゃない、どうしようもない。
今まで海外作品は翻訳に頼っていたけど、これではだめなんでしょうかね?
そんなことも思いました。
04/03/08 10:29

「別冊宝島144 シナリオ入門」(宝島社)

→二部構成。一部が「シド・フィールドのシナリオ講座」。
なんでもかつてアメリカの大学の映画学科でテキストとして使われていたとか。
売れるアメリカ映画の秘密がつまっているとのこと。ほんとかいなと読む。
だってお金持ちになりたいもん。そんな不純な動機で読了。
あはは、うまい話はないってことか。どれも聞いたようなことばかり。

ちょっと内容紹介。2時間の映画はシナリオにすると(英語で)120ページ。
構成を以下のようにするといいらしい。
(1〜30ページ)=状況設定。
(30〜90ページ)=葛藤。
(90〜120ページ)=解決。
いちばん書くのが難しいのは「葛藤」。
重要なのは「葛藤」の中間(60ページ)に転機となるミッドポイントを入れること。
著者はこのようにシナリオを数式化する。

まさかぁと思うでしょ? 
このつぎに読んだ大ヒット映画「恋におちたシェイクスピア」の
シナリオ本で確かめたら本当にそうなっている。
英語日本語対訳のシナリオ本。
30ページくらいでシェイクスピアとヴァイオラ(ヒロイン)がひかれあうと同時に、
登場人物が出尽くす。ミッドポイントの60ページ付近で、シェイクスピアと
ヴァイオラが結ばれる(肉体的に)んだから、まさしく公式どおり(苦笑)。

本書の第二部は日本人シナリオライターの無頼生活自慢がメイン。
おいおい。だから日本はだめなんだと読んですこしあきれてしまった……。