04/02/08 12:20

「デモクラシー万歳」(バーナード・ショー/升本匡彦訳/「名作集」白水社)絶版

→戯曲。高いお金払って「バーナード・ショー名作集」なんて買っちゃいけません。
「名作集」でおもしろいのは「ピグマリオン」のみですから。
この戯曲集、わたしの嫌いな矢口書店では9000円なんて値をつけている。
あー、いま検索したらショック。小宮山書店が2000円で新しく出している。
ここなら神保町はよく行くから送料もいらなかったのに……。悔しい。
(わたしはネット古書店で買った。3000円+送料なり)。
あ、この戯曲は政治劇。
まあ、これほどつまらない戯曲を探すのは「六ケかしい」(読めますか?)。


「分からぬもんですよ」(バーナド・ショー/市川又彦訳/岩波文庫)品切れ

→戯曲。人生なんて、分からぬもんですよ。
ある日、偶然に、18年間も会っていなかった父親とばったり出会ってしまうのだから。

不勉強なので、あやふやだけれども、喜劇にはふたつあるらしい。
ひとつは、登場人物そのものの個性がおもしろいもの。奇人変人がでてくるもの。
もうひとつは、状況がおもしろいもの。シチュエーションコメディというらしい。
もちろんこれは後者になる。そのなかでもかなり上質の部類に入ると思う。
ただし難は翻訳にあり。昭和15年の翻訳。思いっきり旧字体。
市川又彦ってだれ? 英文学の創始者? 
いくらなんでも中学生みたいな直訳をしないでほしい。
日本語として読めないところが多数ある。これを倉橋健さんの訳で読めたら……。

ところで「六ケかしい」。読めましたか? 
わたしはこの戯曲で四回目に出てきたところでようやくわかる。
「むつかしい」ですね(笑)。
04/02/08 11:19

「聖女ジョウン」(バーナード・ショー/中川龍一・小田島雄志訳/「名作集」白水社)絶版

→戯曲。だらだらと長いだけの評伝劇。
フランスに聖女ジャンヌ・ダルクが登場してイギリスを打ち破る。
だがそのジャンヌも最後には火あぶりにされて死ぬ。
そんな彼女の生涯を機械的に六場に分断しただけ。興奮も緊迫もユーモアもない。

この作品の背景には日本人がわからないカトリックうんぬんの問題がある。
教会は信仰に必要か否か。
たぶん「カトリックかプロテスタントか」の問題になるのだと思う。
西欧思想的には大問題なのでしょうが、日本人にはわかりにくい。
04/02/08 10:38

「カンディダ」(バーナード・ショー/鳴海四郎訳/「名作集」白水社)絶版

→戯曲。人妻のロマンスである。彼女は選択を迫られる。
どちらを選ぶべきか。
牧師をしている堅実なだんなさんか。熱烈に求愛してくる少年詩人か。
結局、人妻はだんなさんを選択する。しかし完璧に元通りになったわけではない。
変化はあった。
詩人の少年はこの失恋を経て、おとなの男性に成長したのである――。
だからどうしたとわたしも思った。だが、いったん閉じた幕が上がることはない。


「悪魔の弟子」(バーナード・ショー/中川龍一訳/「名作集」白水社)絶版

→戯曲。テレビドラマを見ていて思うことはありませんか。
この脚本家はぜったいに視聴者をバカにしている。
お茶の間のおまえらはこんなものを見せときゃ満足するんだろうと。

そんな悪意を隠すことなく皮肉屋のショーさんが創作したのがこの作品。
通俗的な「仕掛け」を矢継ぎ早に出していく。
まずは遺産相続の場で観客の関心を安易につかむ(「リア王」!)。
そこに十年ぶりに帰宅する放蕩息子の長男。
遺書が公開されるとこともあろうか長男の独り占め(意外な展開!)。
時代はアメリカ独立戦争。
イギリス軍が攻めてくる。この放蕩息子は牧師と勘違いされてイギリス軍に捕まえられる。
さて神につかえる牧師はどうするか。
自分が本物の牧師だと名乗り出て処刑されるか。
と思いきや、自分の命が大事とさっそうと逃げ出してしまう牧師さん(観客爆笑!)。
緊迫のクライマックス。放蕩息子がまさに処刑されようとしている。
牧師ははたして現れるのか(「走れメロス」!)。
そこに登場する牧師!

当時、この「悪魔の弟子」は大ヒットしたそうです。
バーナード・ショーのひねくれた笑い顔をどうしても想像してしまう……。
04/02/06 10:08

「本の運命」(井上ひさし/文春文庫)

→本についてのエッセイ。おもしろすぎて2時間、休憩することもなく一気に読んだ。
このひと、本が好きなんだなとよくわかる。別の本で言っていた。

「人生が楽しいとか幸せとか感じるときはない。どこまでもつまらないもの。
ただ戯曲を書くための準備として、ある作家の全集なり資料なりを読み込んでいる
ときだけ贅沢を感じる。
ひとりの作家が作った小宇宙にただよっているときほどの至福はない」。

引用はうろ覚え。
井上ひさしは「小林一茶」や「樋口一葉」などの評伝劇を好んで書く劇作家。
そのときの資料調べのことを贅沢な時間といっているわけです。
当然、一ヶ月の平均書籍代は4〜50万円。狸と狐について戯曲を書こうと思ったときは、
神保町の小宮山書店に電話して神田古本屋街から関係するすべての書物を集めて
もらったとのこと。確定申告のシーズンだけど、こういうのは必要経費でどこまで
落とせるものか。いつかそんな身分になってみたいものです。

失敗談としては、明治時代の医学書を18万円で買ったらしい。
で、その半年後に復刻版がでてしまった(w その古書店は申し訳ないからと、
10万円お返ししますと言ってきたそうです。現金ではなく金券。10万円分。
そこの古書店でだけ使える。こころあたたまる話です。
04/02/06 10:08

「アジアの旅人」(下川裕治/講談社文庫)

→タイトルそのまま、アジアのエッセイ。レシートがはさまっていて、
去年の7月18日に新宿紀伊国屋書店本店で買ったらしい。
あー、そういえばあのとき妙にアジア熱が高まって、それをさますために
いろいろ旅行記を買ったなと思い出す。ときおりすべてをなげうって、
海外に出たくなる。国外逃亡。山頭火じゃないけど。
でも、まあ、そう簡単にはいかないわけで、こういうエッセイで仮想体験してごまかす。
著者にへんちくりんな詩心がないのが良かった。